2002 Fiscal Year Annual Research Report
培養細胞を用いた機能性タンパクデリバリーシステムの開発
Project/Area Number |
14656103
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
矢野 秀雄 京都大学, 農学研究科, 教授 (20026587)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河内 浩行 京都大学, 農学研究科, 助手 (00324666)
松井 徹 京都大学, 農学研究科, 助教授 (40181680)
|
Keywords | IGF-I / NIH3T3細胞 / ディフュージョンチェンバー / タンパクデリバリーシステム |
Research Abstract |
動物の成長を促進する機能性タンパクを大量に発現する線維芽細胞株を樹立し、それをメンブレンフィルターによって宿主遊走細胞は侵入できないが宿主動物の体液成分の栄養およびホルモン等は自由に行き来できるディフュージョンチェンバー内に封入して動物体内に移植することにより、機能性タンパクの発現を長期的に維持し動物の成長を促進させようとするシステムの確立を計った。 まずこのタンパクデリバリーシステムの最初のモデル系として機能性タンパクにインスリン様成長因子(IGF-I)を用いることにした。ヒツジへの応用の予備的な実験として、今年度はマウスを用いた系の確立を計った。スプライシングバリアントであるマウスIGF-IA、IGF-IB全長cDNAをPCRにより増幅しクローニング後シークエンスチェックを行いPCRによる増幅の誤りがないことを確認した。IA, IBそれぞれを哺乳類細胞発現ベクターであるpcDNA3.1に導入した。作成したIGF-I発現ベクターをマウス線維芽細胞株であるNIH3T3細胞にリポフェクション法によりトランスフェクトし、ネオマイシン耐性細胞を選択しステーブルにIGF-Iを発現する細胞株を単離した。どの領域に遺伝子が組み込まれるかによって発現量が異なると思われるので、複数の細胞株についてそれぞれの培養培地および細胞を回収しWestern BlottingによりIGF-Iの発現を調べた。結果、細胞内でのIGF-Iの発現は確認できたが、濃縮を行っても培養培地でのIGF-Iの発現は確認することができなかった。この理由としてIGF-Iの分泌量がWestern Blottingの検出限界以下であること、あるいは培地中のプロテアーゼにより分泌されたIGF-Iが分解を受けてしまったことが考えられる。これについては現在、タンパクの発現量ではなく、Northern BlottingあるいはRT-PCRにより各細胞株でのIGF-IのmRNA発現量を比較し、その発現量の高い株を選択することを試みている。
|