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2002 Fiscal Year Annual Research Report

昆虫の外骨格を模倣した繊維複合材料の作製

Research Project

Project/Area Number 14656126
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

和田 昌久  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 講師 (40270897)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 鮫島 正浩  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (30162530)
Keywordsキチン / タンパク質 / 繊維複合材料 / ヒメバチ産卵管 / X線回折
Research Abstract

われわれの身の回りにはさまざまな繊維複合材料が存在するが、一般に人工の繊維複合材料の場合極度に強いが脆いといった欠点を有する。ところが天然の繊維複合材料である昆虫のcuticleの場合は、強くて堅いが脆くなく、適度にしなやかである。すなわち、理想的な繊維複合材料である。本研究の目的は、この昆虫のcuticleの構造を解明し、その構造を模倣した繊維複合材料を調製することである。初年度である今年は、キチン微結晶が一軸配向したヒメバチ(Megarhyssa praecellens)の産卵管とスルメイカ(Todarodes pacificus)のsquid penを用い、その構造を放射光X線小角散乱により解析した。
ヒメバチの産卵管では、赤道の小角領域にd=6.44nm,3.73nm,3.39nmの3つの回折が観察できた。これより、タンパクマトリックス中においてキチン微結晶が直径7.5nmで六方細密充填していることが明らかになった。また繊維方向には、キチンの繊維周期1.03nmの3倍に相当する3.1nmのたんぱく質の周期が存在することがわかった。以上の結果をもとにキチン繊維とたんぱく質の複合構造モデルを構築中である。
一方、スルメイカのpenでは、赤道の小角領域にd=4.09nmの幅広の回折が観察されただけであった。キチン微結晶の配列はヒメバチ産卵管と同様ではあるものの、乱れていることを示している。また子午線には、d=16.0nm,8.33nm,5.11nmに3つの小角散乱が現れた。この結果、キチンの繊維周期のおよそ16倍に相当するたんぱく質の周期が存在することが分かった。

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Published: 2004-04-07   Modified: 2016-04-21  

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