2002 Fiscal Year Annual Research Report
人工根粒バイオリアクターを用いた空中窒素固定システム開発のための基盤研究
Project/Area Number |
14656128
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
横山 正 東京農工大学, 農学部, 助教授 (70313286)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有馬 泰紘 東京農工大学, 農学部, 教授 (90011973)
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Keywords | symbiosis / bacteroid / symbiozome / gene expression / rhizobium / root nodule / bradyrhizobium / macro-array |
Research Abstract |
マメ科植物の根には、根粒と呼ばれる丸い粒が付いている。根粒菌という土壌細菌が共生して形成された器官で、窒素ガスをアンモニアに変える、窒素変換工場である。この工場の中で、根粒菌は増殖が抑制され、窒素固定のみを行うようにマメ科植物から強いられており、窒素固定機械(バクテロイドと呼んでいる)へと特殊化させられている。本研究の最終ゴールは、この窒素固定機械を人工的に再現し、根粒菌バクテロイドを用いた空中窒素固定システムの構築にある。このシステム機構は、現在、全く不明である。そこで、最初のステップとして、根粒菌をバクテロイド化する分子メカニズムを探る基盤として本研究を立ち上げた。 平成14年度は、ダイズ根粒の根粒菌感染細胞から2層分配法でシンビオソームを単離し、膜を浸透圧変化で破壊し、シンビオスペース物質を採取し、その組成をHPLCで調べると共に、既知物質、例えばアミノ酸の成分の差がシンビオスペース物質を特徴づけるのか、あるいは未知物質の存在がシンビオスペース物質を特徴づけるのか、人工的に同一組成の物質を作成し根粒菌に投与し、その形態や生育速度の変化を調べた。その結果、有機酸やアミノ酸をシンビオスペースの存在量に調整した溶液が、根粒菌の生育速度を抑制することが分かった。しかし、形態変化は誘導しなかった。このことから、シンビオスペースでの根粒菌のバクテロイド化はアミノ酸や有機酸の組成で調節されていないことが推定された。 次に、ミヤコグサ根粒菌の全ゲノムを網羅したマクロアレイ膜(3800クローンが載っている)を用い、シンビオスペース物質を根粒菌に投与した15分後に生じる遣伝子応答を追跡した。その結果、165クローンが、PBS物質の添加15分で、転写量が2.5倍以上に増大し、一方、61クローンで転写が50%以下に抑制された。転写が増大したクローンには多数の転写因子やその関連遺伝子が含まれていた。これらの中に、根粒菌をバクテロイド化する転写因子が存在する可能性が推定された。現在、それらクローンから、DNAプローブを作成し、リアルタイムPCRを用いた発現解析の準備を行っている。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Hakoyama T., Yokoyama T., Kouchi H., Arima Y: "Transcriptional response of soybean suspension cultured cells induced by Nod factors obtained from Bradyrhizobium japonicum USDA110"Plant cell Physiology. Vol.43. 1314-1322 (2002)
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[Publications] Iizuka M., Arima Y., Yokoyama T., Watanabe K.: "Positive correlation between the Number of root nodule primordial and seed sugar secretion in soybean (Glycine max L.) seedlings inoculated with a low density of Bradyrhizobium japonicum"Soil Sci. Plant Nutr. Vol.48. 219-225 (2002)
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[Publications] Tejima K., Arima Y., Yokoyama T., Sekimoto H.: "The distinetiveness of the peribacteroid space of soybean root nodules in its composition of low molecular weight compounds, and its changes with plant growth"Soil Sci. Plant Nutr. (Accepted). (2003)
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[Publications] A.Shutsrirung, K.Senoo, S.Tajima, K.Minamisawa, T.Yokoyama, R.Sameshima, A.Bhromsiri, M.Hisamatu: "Genetic diversity of native Bradyrhizobium populations in soybean-growing areas of northern Thailand. Soil"Soil Sci. Plant Nutr. (Accepted). (2003)
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[Publications] 横山 正(分担執筆): "土壌微生物生態学"朝倉書店. (2003)