2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14656137
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
原 敏夫 九州大学, 大学院・農学研究院, 助教授 (50117222)
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Keywords | セルフリー / 糖タンパク質 / 昆虫細胞抽出液 / 細胞内移行シグナル / 鋳型mRNA / リボゾーム / ゴルジ |
Research Abstract |
(I)無細胞糖タンパク質合成用細胞抽出液調製法の最適化 不活性ガスとして窒素ガスを利用し、ミニボンベ細胞破砕器を用いて昆虫培養細胞Sf21から無細胞糖タンパク質合成用抽出液を調製した。ガス圧8atm、処理時間30分間が好適で高い糖鎖修飾活性を有した。哺乳類、両生類、魚類起源の培養細胞から調製した抽出液では糖タンパク質を合成できなかった。 (II)糖鎖付加を伴う無細胞タンパク質合成系の効率化 効率的翻訳鋳型活性を有するmRNAのデザイン:バキュロウイルス上にコードされるポリヘドリン遺伝子の5'-非翻訳領域が翻訳能に大きく影響を及ぼした。3'-非翻訳領域はそれほど翻訳能に影響を及ぽさなかった。 リボゾームの効率リサイクル化:翻訳終結反応がタンパク質合成の律速段階となっていることが多く、またペプチド鎖伸張段階でヌクレアーゼによるmRNA切断に起因する翻訳停止現象が明らかになった。そのため、リボソームの効率的リサイクル化を目指し、終結因子と翻訳停止修飾に関与する因子の究明を実施している。 (III)糖鎖構造の解析 N型糖鎖付加シグナルを2箇所有するVP1遺伝子のN末端にニワトリリゾチーム由来細胞内移行シグナルを導入し、無細胞糖タンパク質合成用抽出液を用いて糖鎖が付加されたVP1の合成に成功した。硫安塩析、透析により糖鎖が付加されたVP1を部分精製し、SDS-PAGE後のゲルから切り出し、LC-MASSに供する精製・糖鎖解析システムを確立した。現在、LC-MASSにて糖さ構造解析中である。
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