2002 Fiscal Year Annual Research Report
食品抗原に対する免疫寛容誘導の環境ホルモンによる修飾機構に関する研究
Project/Area Number |
14657017
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
太田 房雄 徳島大学, 医学部, 教授 (90035478)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大和 正幸 徳島大学, 医学部, 助手 (90210492)
湊 義博 徳島大学, 保健管理センター, 教授 (00035768)
山本 茂 徳島大学, 医学部, 教授 (70093896)
前田 健一 徳島大学, 保健管理センター, 助教授 (30238860)
酒井 徹 徳島大学, 医学部, 助手 (40274196)
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Keywords | 経口寛容 / IgE抗体 / 卵白アルブミン(OVA) / βラクトグロブリン(βLG) / サイトカイン / IL-2 / IL-4 / IFN-γ |
Research Abstract |
抗原が経口的に投与さた時に誘導される経口寛容により食品抗原物質に対するアレルギーが回避されると考えられる。本研究では、低タンパク質で飼育したマウスにTh1である卵白アルブミン(OVA)とTh2抗原であるβ-タラクトグロブリン(βLG)を口腔内へ免疫前投与すると、免疫寛容が生じるかどうか、また、Th1抗原とTh1抗原について経口寛容誘導機序の相違を調べた。 その結果、免疫前に抗原を経口投与すると、全の対照群と実験群で、全IgE量が増加したが両群で有意差はなかった。しかし、水を経口投与して免疫した群(20%群と5%群)と比較して、実験群では全IgE量が低く、また後者が前者より有意に低かった。他の抗体クラスまたはサブクラスについては、抗原の違いにより異なる結果が得られた.βLG投与群では対照群(水投与群)よりβLG, Con AおよびLPS刺激に対して低い応答を示し、足蹠反応では、5%群が水投与群より弱い反応を示した。 脾細胞産生サイトカインについて調べると、OVAを用いると前投与群で、IL-4が低下し、INF-γが5%群が20%群より高値を示したが、βLGを用いると、INF-γが低下しIL-4は変化しなかった。また、IL-2の量はOVAの場合変化せず、βLGについては、5%群が20%群より有意に低い値を示した。 以上のように、本研究ではマウスを低タンパク質で飼育すると、OVAとβLGに対する経口寛容の誘導が誘導され、これはIgE抗体産生の減少を伴うTh1またはTrh2ヘルパー細胞活性の下方修正によるものであることを明らかになった。 備品としてEIA購入でき、サイトカインおよび抗体の微量定量に大いに役立った。また、インドにおける国際学会で本研究成果を発表することができ、多くの海外研究者と意見交換をし、国際交流にも大いに役だった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Mohammed A.Satter et al.: "Low-Protein Diet Induces Oral Tolerance to Ovalbumin in Mice"J. Nutri. Sci Vitaminol. 48巻1号. 51-58 (2002)
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[Publications] Sherin Ahamed, et al.: "Further Evidence for Dietary Protein to Affect Oral Tolerance against Beta-Lactoglobulin in Mice through Th1-mediated Immune Response"J. Nutri. Sci Vitaminol. 49巻2号(印刷中). (2003)
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[Publications] Mohammed A.Satter et al.: "LOW PROTEIN DIET INDUCES ORAL TOLERANCE IN TH1/TH2-MEDIATED IMMUNE RESPONSES AGAINST DIETARY ANTIGENS"Journal Nutrition(Supple.) Proceedings of Nutrition and Immunology in the 21st Centry. (印刷中). (2003)