2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14657029
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高井 俊行 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (20187917)
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Keywords | PIR-B / inhibitory receptor / Th2 response / allergy / dendritic cell |
Research Abstract |
1970年代初頭に初めて症例が報告されたNasu-Hakola病は,多発性の病的骨折,および性格変化なとの統合失調症に似た精神神経症状ののち若年性痴呆を必発して死に至る,予後不良の劣性遺伝病である.フィンランドのグループの地道な家系調査とゲノムスクリーニングの結果,2000年に至ってNasu-Hakola病の原因が,免疫系において見い出されていた活性化シグナル伝達を担う膜アダプター分子,DNAX activating protein (DAP) 12をコードする遺伝子の欠損であることが同定された.我々はNasu-Hakola病の発症機序を解明する目的でDAP12欠損マウスを作製し,骨および中枢神経系におけるDAP12の役割を検討したところ,このマウスは破骨細胞の発達障害ならびにオリゴデンドロサイトの視床領域での発達障害を示すことを見いだした.Nasu-Hakola病の原因として,従来から脂質代謝の異常,あるいは血管壁の変化によって惹起された大脳白質の慢性循環障害とする説など,確定されていなかったが,DAP12欠損マウスでは脂質代謝異常,ならびに大脳血管の内皮細胞に異常は見いだせなかった.神経病理学的な観点からはNasu-Hakola病は一次性の髄鞘障害とする説と,一次性の軸索損傷であるとする説があり,DAP12欠損マウスでは一次性に視床中心性に髄鞘形成不全が起こり,それに付随する形で二次性にシナプス異常が起るのではないかと考察されるが,今後のより詳細な解析が待たれるところである.とりわけヒトで若年性の痴呆に至る過程は全く不明であり,DAP12欠損マウスでは2年齢の老化マウスでさえ明白な行動異常は観察されないし,神経細胞の顕著な減少も見られない.DAP12が如何なるレセプターと会合し,その生理的リガンドは何なのか.さらにそのリガンドの脳内分布はどのようになっているのか,などの基本的な知見を蓄積することがヒトのNasu-Hakola病とDAP12欠損マウスとの間に存在する分子レベルでの相違の同定につがなり,これがいずれヒトの精神分裂病や若年性痴呆のひとつのメカニズムの解明につながることを目指したい.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Nakamura, A., et al.: "Deregulation of peripheral B cell development in enhanced severity of collagen-induced arthritis in FcγRIIB-deficient mice"J Autoimmu. (in press). (2003)
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[Publications] Yajima K, et al.: "FcγRIIB deficiency with Fas mutation is sufficient for the development of systemic autoimmune disease"Eur. J. Immunol. 33. 1020-1029 (2003)
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[Publications] Akiyama K, et al.: "Targeting of apoptotic tumor cells to Fcγ receptors provides efficient and versatile vaccination against tumors by dendritic cells"J. Immunol. 170(4). 1641-1648 (2003)
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[Publications] Kaifu, T., et al.: "Osteopetrosis and thalamic hypomyelinosis with synaptic degeneration in DAP12-deficient mice"J. Clin, Invest. 111(3). 323-332 (2003)
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[Publications] Ujike, A., et al.: "Impaired dendritic cell maturation and increased T_H2 responses in PIR-B^<-/-> mice"Nature Immunol. 3. 542-548 (2002)
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[Publications] Takai T.: "Roles of Fc receptors in autoimmunity"Nature Rev. Immunol. 2. 580-592 (2002)