2003 Fiscal Year Annual Research Report
生体防御因子ヘムオキシゲナーゼ1を介した組織特異的ストレス応答機構の解析
Project/Area Number |
14657030
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
中島 修 山形大学, 遺伝子実験施設, 助教授 (80312841)
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Keywords | ヘムオキシゲナーゼ1 / ストレス応答 / 遺伝子改変マウス / GFP / 生体防御 |
Research Abstract |
HO-1遺伝子のストレス応答発現をモニター可能とする系の確立を行った。具体的には,定法に従い,ES細胞相同組換え体を用いて,ヘムオキシゲナーゼ1(HO-1)遺伝子破壊マウスを作製し,本マウスにおいて,Creトランスジェニックマウスと交配して,Creリコンビナーゼを発現させることで,HO-1遺伝子座で遺伝子破壊を惹起させる組換えが起こし,この組換えにより,リポーター遺伝子として挿入されたDsRedが,HO-1遺伝子の制御下で,ho-1 5'非翻訳領域と共に転写され発現するようにした。リポーター遺伝子のDSRedを発現するマウス(ヘテロ接合体)を解析して,HO-1の組織特異的発現を検討した。リポーター遺伝子の発現は,解析したすべての組織で観察されたが,過去の報告同様,HO-1発現は脾臓において最も強く認められた。これは凍結切片の解析等から赤脾髄におけるシグナルであり,好中球・単球・マクロファージ系由来であることが推定された。また,精巣においても,Leidig細胞においてHO-1が共発現していることが判明した。腎臓においては,HO-1は皮質尿細管で発現が観察された。 現時点では,それぞれ組織での発現がストレスに応答したものかは,不明な点である。しかしながら,通常の生育条件において,脾臓に見られるような,網内系の細胞による赤血球の貪食に伴うヘム分解のためのHO-1発現誘導とは,明らかに異なる組織特異的発現が,本研究の解析で数多く認められた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Wakabayashi J, Yomogida K, Nakajima O, Yoh K, Takahashi S, Engel JD, Ohneda K, Yamamoto M.: "GATA-1 testis activation region is essential for Sertoli cell-specific expression of GATA-1 gene in transgenic mouse."Genes Cells. 8・7. 619-630 (2003)
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[Publications] Moriguchi T, Motohashi H, Hosoya T, Nakajima O, Takahashi S, Ohsako S, Aoki Y, Nishimura N, et al.: "Distinct response to dioxin in an arylhydrocarbon receptor (AHR)-humanized mouse."Proc Natl Acad Sci USA. 100・10. 5652-5657 (2003)
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[Publications] Morita M, Kobayashi A, Yamashita T, Shimanuki T, Nakajima O, Takahashi S, Ikegami S, Inokuchi K, et al.: "Functional analysis of basic transcription element binding protein by gene targeting technology."Mol Cell Biol.. 23・7. 2489-2500 (2003)