2004 Fiscal Year Annual Research Report
尿路結石から分離された未知細菌の病原性及び分子生物学的解析
Project/Area Number |
14657068
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Research Institution | Okayama Gakuin University |
Principal Investigator |
友近 健一 岡山学院大学, 人間生活学部, 教授 (00093691)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
公文 裕巳 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (30144760)
矢尾 謙三郎 岡山学院大学, 人間生活学部, 教授 (50032892)
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Keywords | 未知細菌 / Nanobacteria / 尿路結石 / Spring-8 / 増殖因子 / コアー構造 |
Research Abstract |
研究代表者等は、患者から摘出した尿路結石をアルコールで消毒後、血清及び抗生物質を添加しないダルベッコーMEM培地にて37℃、10%炭酸ガス条件で長期にわたり培養を行うことで2〜5μm径の結石様物質が培養皿全面に増加してきた。この結石様物質を植え継ぎすると再び増加してきた。この様な生命体の例としてCiftcioglu等の報告している、Nanobacteriaが想定された。その後も多くの尿路結石から同様の生命体が分離され、我々はこれをNanobacteriaとして細菌学的解析を加えた。増殖形態としては、小単位の結石様物質が分裂又は出芽様の形式でおこる場合と培養液表面に浮遊して分裂する形式が観察された。この小単位を電子顕微鏡で観察すると結石の内部に細菌様の構造が観察された。しかし、細菌リボソームRNAに対するユニバーサルプライマーを用いた解析からは特定の細菌に対するPCR産物は得られなかった。増殖因子を大量に培養し、その成分分析を種々の方法で行ったが、核酸や培養に用いた牛胎血清由来のタンパク質以外のものは明確には確認できなかった。増殖粒子の主成分はハイドロキシアパタイトであるが、コアー構造を有する点から単なる無機物の結晶とは考えられなかった。Spring-8の高輝度放射光を用いて、増殖因子が集積して形成された尿路結石様構造物の構造が尿路結石そのものにも存在し、この増殖因子様構造物が核となって尿路結石の成長が起こることが明らかになり、この因子が生体内でおこる石灰化に関係している可能性がより明確になった。現在、増殖因子を構成している生物由来の有機成分を免疫学的方法により解析を進めているが、決定的な成績は得られていない。
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Research Products
(5 results)