2002 Fiscal Year Annual Research Report
特殊ベント・プロモーターを利用した新規高発現ベクターの構築
Project/Area Number |
14657069
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Research Institution | Kagawa Medical School |
Principal Investigator |
岡部 昭延 香川医科大学, 医学部, 教授 (20093677)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉井 栄治 香川医大学, 医学部, 助手 (40333512)
宮田 茂 香川医大学, 医学部, 助手 (90314913)
松下 治 香川医大学, 医学部, 助教授 (00209537)
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Keywords | Clostridium perfringens / Ferredoxin gene / Expression vector / Sialidase / Collagenase / Transcriptional fusion / Phased A-tracts / Curved DNA |
Research Abstract |
Clostridium perfringensはシアリダーゼ、コラゲナーゼ、ヒアルロニダーゼなど多種類の有用な酵素を産生する。しかしながら、それらの分離精製は困難でありBiotechnologyによる量産が望まれる。それら有用酵素の遺伝子はAT含量が極端に高く、分子量が大きいため、大腸菌等、他の宿主-ベクター系での発現はCodon biasにより非効率的であり、他の宿主による量産は不可能である。我々は、C. perfringensのフェレドキシン遺伝子(fdx)のプロモーター領域に存在する5つのPhased A-tractsは、強い折れ曲がり構造をとり、fdxのプロモーター活性を高めることを見いだした。このプロモーターを用いたC. perfringens用高発現ベクターの開発を目的に、fdxプロモーターと分泌性シアリダーゼの遺伝子(nanI)のTranscriptional fusionを行い、NanI産生性について検討した。プラスミドpPSVのMultiple cloning siteにfdxプロモーターを含む-69から+1までの断片とnanIの+2から転写終結配列までの領域を挿入したプラスミドpPSF-Nを構築した。これをC. perfringens Strain 13に形質転換した。対照として、pPSVにnanI遺伝子全体をクローン化したプラスミドpPSV-N、あるいはpPSVで形質転換した2種類のStrain 13を用いた。Strain 13/pPSF-NはStrain 13/pPSVの3,000倍、Strain 13/pPSV-Nの60倍のNanIを培地中に産生した。Strain13/pPSF-Nの培養上清を少量を用いてSDS-Polyacrylamide gel電気泳動で調べたところ、他の成分は微量ないし少量であるのに対し、NanIは多量に検出された。Clostridium histolyticum菌のコラゲナーゼ遺伝子を、同様にfdxとTranscriptional fusionを行いStrain 13で発現させたところ、120kDaのコラゲナーゼが多量に培地中に産生された。これらの結果は、fdxプロモーターの高発現ベクター開発に向けての有用性を示す。
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