2002 Fiscal Year Annual Research Report
種々の環境発癌因子の標的分子の同定―「分子標的予防法」に向けての基礎的研究
Project/Area Number |
14657087
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
酒井 敏行 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (20186993)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松崎 洋一郎 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (70282522)
曽和 義広 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (70315935)
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Keywords | p53 / RB / 環境発癌要因 / p19 / Siah-1 / プロモーター / CDK / アポトーシス |
Research Abstract |
ヒトの発癌に関与する因子は、何らかの作用を遺伝子の機能に影響を及ぼしていると考えられ、我々は特に遺伝子発現への発癌因子の影響に着目した研究を本研究課題で実施してきた。 そこで発癌因子の作用が予測される遺伝子として、発癌抑制機構として中心的な役割を果たしているp53-RB経路に着目し、その経路に関与する発癌抑制作用を有する遺伝子を利用した。 まず我々はこのp53-RB経路に関与する遺伝子として、p19遺伝子に着目し、そのp19遺伝子の発現制御に関与するプロモーター領域のクローニングを実施し、その詳細な解析も行った(FEBS Letters, Matsuzaki, Y.,Sakai, T. et al.)。p19遺伝子はCDKを阻害することでRBタンパク質を脱リン酸化状態、すなわち活性型状態にし、その結果、細胞増殖を抑制する作用を有している。 また我々は更に、Siah-1遺伝子にも着目し、そのSiah-1遺伝子のプロモーター領域のクローニングも実施し、その詳細な解析も行った(FEBS Letters, Maeda, A.,Sakai, T. et al.)。Siah-1遺伝子はp53タンパク質の標的遺伝子の一つであり、アポトーシス誘導に関与することが知られている。 現在、我々は従来から有していた多数の細胞周期抑制遺伝子、アポトーシス誘導遺伝子のプロモーター・スクリーニング系に、これら二種類の遺伝子プロモーターも追加し、環境発癌因子によるこれら遺伝子プロモーターへの作用を検討中であり、既に、幾つかの環境発癌因子がプロモーター活性へ影響を及ぼすことを見出している。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 神山順, 酒井敏行: "遺伝子調節化学予防-発癌の遺伝子異常に基いた新しい予防法の開発-"医学のあゆみ. 204. 3-6 (2003)
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[Publications] Matsukawa, Y., Sakai, T.et al.: "Quercetin enhances tumorigenicity induced by N-Ethyl-N'-Nitro-N-Nitrosoguanidine in the duodenum of mice"Environmental Health and Preventive Medicine. 6. 235-239 (2002)
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[Publications] Maeda, A., Sakai, T.et al.: "The characterization of the human Siah-1 promoter"FEBS Letters. 512. 223-226 (2002)
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[Publications] Matsuzaki, Y., Sakai, T.et al.: "Molecular cloning and characterization of the human p19^<INK4d> gene promoter"FEBS Letters. 517. 272-276 (2002)
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[Publications] Brooks, L.A., Sakai, T.et al.: "E7 proteins from oncogenic human papillomavirus types transactivate p73 : role in cervical intraepithelial neoplasia"British Journal of Cancer. 86. 263-268 (2002)