2003 Fiscal Year Annual Research Report
光照射構造をした新しいタイプの覚醒レベル計測装置の開発
Project/Area Number |
14657089
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
柏木 利介 神奈川大学, 工学部, 専任講師 (40202006)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三林 洋介 神奈川大学, 工学部, 助手
奥野 祥二 神奈川大学, 工学部, 助手 (90281451)
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Keywords | フリッカー試験器 |
Research Abstract |
フリッカー測定器は大脳知覚皮質の興奮性、活動水準を判断する装置として古くから活用されており、その構造はセクター方式から発光ダイオード<LED)と移り代わっている。現在、様々なメーカで製造市販されているが、基本となる原理と測定方法は日本産業衛生協会産業疲労委員会で規定されてきた定義にのっとった物が作られている。これに対して我々は全く新しい構造原理により研究開発を試みた。具体的には約2cm程度の距離から周辺光や点滅光を、しかも面光源を用いて目に対して照射する方法である。今年度の研究では面光源を確実にするために、E1板(Electro Luminescence Sheet)を用いた。この素子はLEDのような点状の発米素子ではなく、初めから面状態で発光を行うことが出来る電子素子である。また我々の目的としてはこの機器をできるだけコンパクトに構成したいということも考えている。ここでEL板に印加する発振電圧をPICという書き換え可能なICを用いる試みを行い、回路部分に関してもコンパクト化、軽量化に成功している。ところで、このような面光源を用いた機器の性能が問題であるが、既存のフリッカー試験器とかなり良好な相関関係を得ることが出来ている。従来は点滅光を見る、ということが重要な観点であると思われてきたが実は目に対して照射する、つまり「見る」という観点無しでも脳の覚醒を計測することが可能ではないのか、という新しい見解をもたらす結果である。ただし現在はプレリミナリーな結果であり、来年度においてはその是非を考え、より多くのデータを収集する実験を行い、この観点を実験的に確かめて行きたいと考えている。
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