2003 Fiscal Year Annual Research Report
血中テストステロン濃度が中高年男性のライフイベントと心理的健康の関係に及ぼす影響
Project/Area Number |
14657108
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Research Institution | National Institute for Longevity Sciences,NCGG |
Principal Investigator |
安藤 富士子 国立長寿医療センター, (研究所)・疫学研究部, 室長 (90333393)
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Keywords | テストステロン / 男性更年期 / ライフイベント / 心理的健康 / 中高年者 |
Research Abstract |
研究代表者らが国立長寿医療センターにおいて平成9年から開始した「老化に関する長期縦断疫学調査」のコホートを用いて本年度は以下の調査・研究を行った。 (1)平成12年から14年にかけて行われた第2回調査結果から必要な背景要因・心理特性データを抽出した.また,引き続き行われている第3回調査において心理,背景要因の調査を継続して行った. (2)昨年度の解析で,遊離テストステロンとの関係が有意であった老研式活動能力指標の2年間縦断的変化を検討した。老研式活動能力指標の総合点,下位尺度(手段的自立,知的能動性,社会的役割),各素点の中で有意な縦断的変化を認めたのは,総合点,社会的役割,問10(友人宅への訪問),問13(若い人に話しかける)であり,2年間で有意に低下した.年代別検討では,総合点が70代で,社会的役割が40代から70代のすべての年代で,問10が40代から60代で,問11(相談に乗る)が70代で,問13が60代と70代でそれぞれ低下した. (3)初回調査時の血中遊離テストステロンが老研式活動能力指標の縦断的変化に及ぼす影響について検討した.年齢調整後に遊離テストステロンとの有意な関連を示したのは,問1(公共機関での外出),問12(病人を見舞う)の縦断的変化で,また手段的自立と問3(食事の準備)の縦断的変化は関連がある傾向を示した.これらはいずれも負の関連であった.そのほかの交絡要因を調整した後も問1,問12の縦断的変化は遊離テストステロンと負の関連を示した.昨年度の横断的検討では遊離テストステロンが低下している者では活動能力が低かったことから,本年度の研究結果では遊離テストステロン低下による活動能力の低下は一過性である可能性が示されたと考えた.
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Research Products
(2 results)