2002 Fiscal Year Annual Research Report
法医学試科からの微量細菌毒素分析法の開発に関する研究
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14657112
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
屋敷 幹雄 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (40033998)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奈女良 昭 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 講師 (30284186)
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Keywords | 固相マイクロ抽出法 / SPME法 / 海産毒 |
Research Abstract |
本研究の目的は、尿や血液、胃内容物などの法医学試料から、簡便で再現性の高い上記毒素分析法の開発である。本年度は、中毒事例の実態を調査し、入手可能な毒素の種類を調査するとともに、如何なる毒素が固相マイクロ抽出(SPME)法とGC/MSを組み合わせた分析法で検出可能であるかの基礎検討を実施した。 1)中毒事例の実態調査 科学警察研究所発行の薬物による中毒事故等の発生状況や(財)日本中毒情報センターからの受信状況から、海産性毒素ではフグ(テトロドトキシン)と貝毒が、細菌性毒素ではアマニチン(キノコ毒)やアフラトキシン(カビ毒)が、中毒症例の多い原因物質であった。また、海産環形動物イソメの毒素を原料とした農薬(cartap)による中毒も散見される。さらに、WHOでは、anatoxinやmicrocystinなどのアオコ由来の毒素による中毒も危倶している。 2)標準品の入手 多くの標準品が入手不可能(市販されていない)であり、中毒発生時における原因物質特定の使用となっている。また、国内法による規制が厳しく、分析機関での入手配慮への検討が望まれる。 3)分析法の基礎検討 標準品の入手できたanatoxinとcartapについて、SPMEを用いた分析法について検討した。両化合物ともSPMEで抽出できることが判明したので、次年度以降、高感度分析法の確立を行う。
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