2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14657123
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
正村 和彦 弘前大学, 医学部, 教授 (10021411)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
目黒 玲子 弘前大学, 医学部, 助手 (40333736)
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Keywords | 胃 / 壁細胞 / 非ヘム鉄 / 水浸ストレス / 粘膜傷害 |
Research Abstract |
材料と方法 雌Wistar ratを使用した。ラットに水浸ストレスを負荷した。ラットを幅4.5cm×奥行き5.5cm×高さ17.5cmの金属ケージに入れ、胸骨下端まで水浸した。水温は22-23℃に保った。水浸ストレス0-6時間後に、動物を深麻酔下で屠殺し、胃を摘出し組織学的に検索した。胃の非ヘム鉄の組織化学的検索にはわれわれが開発した灌流-Perls法および灌流-Turnbull法を使用した。 結果 1.水浸ストレスによって胃の粘膜傷害が生じる。粘膜傷害の程度はストレス負荷時間と比例する。 2.胃の壁細胞には非ヘム鉄が2価と3価の状態で蓄積されている。電子顕微鏡的組織化学の検索ではこれらの鉄は主にミトコンドリア内に蓄積されている。 3.水浸ストレスによる胃粘膜傷害部位の壁細胞の非ヘム鉄の増加が起きる。 考察 これらの結果と他の研究者による種々の臓器の虚血/再灌流による傷害の研究結果から、ストレスによる胃粘膜傷害の機構として以下のものが考えられた。水浸ストレスによって胃に虚血/再灌流が起きる。これによって、胃の壁細胞にフリーラジカルの産生が起り、この細胞に密に含まれるミトコンドリアを傷害する。ミトコンドリアの傷害によりヘム蛋白の細胞質内への遊出が起き、これがHemeoxygenaseの発現を促し、ヘム蛋白から鉄を遊離させる。壁細胞内に増加した非ヘム鉄はフリーラジカルの産生を触媒し、細胞傷害は増幅される。
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[Publications] Meguro R., Asano Y., Shoumura K.: "Advances in Brain Research, Cerebrovascular disorders and Neurodegeneration, International Congress Series"Elsevier Science, Amsterdam, Netherlands. 7 (2003)