2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14657140
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山口 悦郎 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (10201831)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久下 裕司 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (70321958)
玉木 長良 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (30171888)
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Keywords | β受容体 / 喘息 / 卵白アルブミン / トレーサー実験 / CGP-12177 |
Research Abstract |
喘息ではβ2アドレナリン受容体の変調が、発症や増悪に関与している可能性が古くから言われている。しかしこれまで喘息患者またはモデル動物で肺のβ受容体の変化を、直接測定した報告はない。そこで今年は核医学的方法でその測定を試みた。 【方法】Brown Norwayラットを卵白アルブミンを用いて、皮下および気道内感作を行った。同抗原で気道内チャレンジ後、^<11>C標識した非選択的β受容体拮抗薬であるCGP-12177を静注した。脱血屠殺後、肺動脈灌流と気管支肺胞洗浄にて肺血管内や気道内の炎症細胞を可及的に除去した。次いで各臓器を採取し、放射活性、すなわちCGP-12177結合量で間接的に測定されるβ受容体の総発現量を評価した。一方完全乾燥後に各臓器の重量を測定した。またβ2アドレナリン受容体のmRNAは、肺より総RNAを抽出後、DNAaseIにて混在するかもしれないDNAを除去し、RT-PCRを実施した。内在性コントロールとして、GAPDHを測定した。 【結果】感作群のβ受容体密度は、36±11(SD)%dose/g肺乾燥重量、対照群のそれは、51±4(SD)%dose/g肺乾燥重量と感作群で有意に低かった。心臓、血液、筋肉では有意差を認めなかった。RT-PCR法でも、GAPDHで補正したβ2受容体のmRNA発現量は、感作群で0.08±0.08、対照群で0.9±0.16であり、感作群で有意に低値であった。 【結論】卵白アルブミン感作ラット肺は、肺β受容体発現が低下しており、何らかの形で喘息の発症とかかわっている可能性が考えられた。
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Research Products
(1 results)