2002 Fiscal Year Annual Research Report
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14657176
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Research Institution | Okinaka Memorial Institute for Medical Research |
Principal Investigator |
山口 徹 財団法人冲中記念成人病研究所, 研究員 (30010416)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋口 博保 (株)カネカメディクックス, 企画チーム, 研究職
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Keywords | 冠動脈粥腫 / 温度測定 / カテーテル |
Research Abstract |
急性冠症候群の発症機序としで重要な役割を担う不安定プラークに関する研究が盛んに行われているが、病変部の温度測定によりプラークの不安定度を診断できる可能性が報告された。今回、(株)カネカメディックスとの共同研究により冠動脈壁温度測定用温度センサー付カテーテルの開発を目指し、センサー付きカテーテルの作成と動物実験による性能確認を行った。【方法と成績】1)カテーテルおよび装置の作成。冠動脈壁の温度を全周性に測定するため先端部をバスケット型とし、バスケットを構成する4本の骨材の頂点に熱電対型温度センサーを組込んだ。ガイドワイヤーに沿ってカテーテルを導入するために、最先端にガイドワイヤー用のルーメンを設けてモノレールタイプとした。シャフトは4Frとし、バスケットの長さ2種類、硬度3種類を作成した。血液温度測定用のセンサーを加えて、合計5箇所の温度を手元のインターフェイスを介しパソコン画面上にリアルタイムで表示できるシステムを構築した。2)動物実験成績。豚冠動脈内でカテーテルの操作性、センサーの壁密着度、血流との温度分離性能、炎症に伴う温度上昇の検出性を検討した。動物実験の結果、(1)冠動脈内へのデリバリー性が良好であること、(2)測定値に電源や周辺機器からの影響によるノイズ問題がなく、かつ応答性が良好であること、(3)血管壁と血液の温度を分離して測定できる可能性があること、(4)血管壁の局所的に温度が高い部分を正常部位と分離して測定できる可能性が高いこと、を確認した。【今後の研究事項】より安全なカテーテル挿入のためにシース付き構造とすること、オートプルバックにより測定部位の同定、温度分布の平面表示が可能なソフトを開発すること、などの改良を進め、安全性の確認を行なった後に臨床応用を目指す。
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