2002 Fiscal Year Annual Research Report
インフルエンザ脳症における血管内皮細胞機能障害のメカニズムについての解析
Project/Area Number |
14657180
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
若宮 伸隆 旭川医科大学, 医学部, 教授 (20210867)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 定彦 大阪府立公衆衛生研究所, 主任研究員 (90206540)
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Keywords | コレクチン / レクチン / 動脈硬化 / スカンベンジャー受容体 / 補体 / 微生物 |
Research Abstract |
平成14年度の研究成果としては以下の如く、以下のプロジェクトが進展した。 インフルエンザ脳症を、血管内皮細胞の機能障害ととらえ、血管内皮特異的スカベンジャー受容遺体であるCL-P1に焦点をあてて、そのウイルスとの結合とエンドサイトーシスが本受容体でされるのか? また、内部シグナル伝達系にどのような分子が関わるのか?明らかにするのが本研究の目的である。 (1)血管内皮細胞存在型コレクチン遺伝子CL-P1のクローニングが一段落終了した。 1.ヒトCL-P1cDNAのクローニング 2.マウスCL-P1cDNAのクローニング 3.ラットCL-P1cDNAのクローニング 4.アフリカツメガエルCL-P1cDNAのクローニング 5.ゼブラフィッシュCL-P1cDNAのクローニング 6.ヒトCL-P1ゲノムDNAのクローニング (2)ヒトCL-P1遺伝子永久発現細胞株の樹立 1.永久発現株細胞の樹立・発現レベルの異なる株を10数種得た。 2.部分遺伝子発現細胞株の樹立は数株得た。 (3)ヒトCL-P1遺伝子永久発現細胞株におけるウイルス粒子結合、エンドサイトーシス解析を行った。 1.CHO細胞はHSVに対する受容体は存在せず、ウイルスは感染しない。本細胞にCL-P1遺伝子永久発現させHSVのエンドサイトーシスがおこることを確認した。しかし全細胞にはエンドサイトーシスはおこらず、何らかの細胞状態がエンドサイトーシスに関与することがわかった。 (4)CL-P1細胞内領域に結合する蛋白質の探索 1.酵母two hybridシステムを用いた結合タンパク質のクローニング 2.クローニングしたAP2M2蛋白とCL-P1蛋白の結合実験 このように初年度から経過としては、順調に研究は伸展している。 本研究の大きな目標としては、血管内皮細胞の機能障害が実際におこっている脳血管での病態解析とそれが特定のひとでおこるメカニズムを明らかにすることである。初年度ではまず細胞レベルの遺伝子発現株を用いた研究により、受容体の機能解析を中心に行った。その結果として、CL-P1は、ウイルスと結合したり、またウイルスの受容体としての働きを代行することがわかった。つぎに初年度であきらかになった細胞内領域結合タンパク内部AP2M2が、シグナル伝達に関わるかどうかを次年度で明らかにしたい。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Hokozaki, Y., Yoshiba, M., Sekiyama, K., Seike, E., Iwamoto, J., Mitani, K., Masafumi, M., Morizone, T., Ohtani, K., Suzuki, Y., Wakamiya, N.: "Mannose-binding lectin and the prognosis of fulminant hepatic failure caused by HBV infection"Liver. 22(1). 29-34 (2002)
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[Publications] Zhao H., Wakamiya, N., Suzuki, Y., Hamonko, M.T., Stahl, G.L: "Identification of human mannose binding lectin (MBL) recognition sites for novel inhibitory antibodies"Hybridoma and Hybridomics. 21(1). 25-36 (2002)
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[Publications] Fukuzawa, J., Nishimura, J., Hasebe, N., Haneda, T., Osaki, J., Saito, T., Nomura, T., Wakamiya, N., Kikuchi, K.: "Contribution of macrophage migration inhibitory factor to extracellular signal-regulated kinase activation by oxidative stress in cardiomyocytes"J. Biol. Chem.. 277(28). 24489-24895 (2002)
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[Publications] Kawai, T., Suzuki, Y., Eda, S., Kase, T., Ohtani, K., Sakai, Y., Keshi, H., Fukuoh, A., Sakamoto, T., Nozaki, M., Copeland, N.G., Jenkins, N.A., Wakamiya, N.: "Molecular cloning of a mouse collectin liver 1"Biosci. Biotechnol. Biochem.. 66(10). 2134-2145 (2002)
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[Publications] Ohmori, H., Makita, Y., Funamizu, M., Chiba, S., Ohtani, K., Suzuki, Y., Wakamiya, N., Hata, A.: "Haplotype analysis of human collectin placenta 1 (hCL-P1) gene"J. Hum. Genet. (印刷中).
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[Publications] 若宮伸隆, 鈴木定彦: "MBL(mannan-binding lectin)その機能と生理学的意義"中国四国支部会誌. 17. 2-12 (2002)
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[Publications] 大谷克城, 若宮伸隆: "Annual Review免疫2002"感染防御とコレクチンファミリー. 217-225 (2002)