2003 Fiscal Year Annual Research Report
サブトラクション法を用いたマウス羊膜における分娩発来に関する未知因子の探索
Project/Area Number |
14657188
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
稲田 浩 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (00244640)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡野 善行 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (60231213)
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Keywords | 分娩発来 / メカニズム / サブトラクション法 / ディファレンシャル ディスプレー法 / 羊膜 / 未知因子 |
Research Abstract |
マウスの分娩発来には、プロスタグランジン(PG)が卵巣の黄体融解を起こし、同部位でのプロゲステロン産生が低下する。この低下が子宮筋層でのオキシトシンレセプターの発現を誘導し分娩に至ることが、シクロオキシゲナーゼのアイソフォームI型(COX-1)ノックアウト(KO)マウスなどを用いた研究により明らかにされている。このCOX-1 KOマウス(♂)と野生型(WT)マウス(♀)の交配、WTマウス(♂)とCOX-1 KOマウス(♀)の交配を行った。羊膜は胎児由来の組織であるため、両群ともヘテロの遺伝型を持つ。マウスの分娩時期は母獣の遺伝型に規定されるためWTマウス母獣は予定日に出産し、COX-1 KOマウス母獣の出産は予定日より3日以上遅れる。この実験系では母獣のプロスタグランジンレベルやプロゲステロン値など各種生理活性物質の違いが、同一のヘテロの遺伝型を持つ胎児に影響を及ぼす。在胎19.0日(野生型マウスの出産予定日の前日夕刻)に両群の胎児羊膜を採取し、グアニジンチオシアネート・塩化セシウム法を用いてmRNAプールを作製した後、逆転写酵素によりcDNAを合成した。これら2種のcDNAをそれぞれRsaI消化して、2種類の特異なアダプターをライゲーションさせた(テスターcDNA)。相対するRsaI消化されたcDNA(ドライバーcDNA)を過剰に加えハイブリダイゼーションさせることにより、両群に共に発現しているcDNAはアダプター配列を持たないためPCR法による増幅を受けにくくなる。一方各群に特異的に発現しているcDNAは、アダプター特異的プライマーによってPCR増幅を受ける。この手法により各群に特異的に発現していると考えられるcDNA断片プールを得た。今後PCR-Select Differential Screening Kitを用いて、一群にのみ特異的に発現しているcDNAを探索する。
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