2003 Fiscal Year Annual Research Report
X染色体遺伝子多型性を用いた皮膚腫瘍性疾患のクローナリティー判定法の確立
Project/Area Number |
14657204
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
西川 武二 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (50051579)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 昌孝 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (30306774)
田中 勝 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (40188339)
石河 晃 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (10202988)
泉 美貴 東京医科大学, 医学部, 専任講師 (30228655)
|
Keywords | X染色体 / 遺伝子多型性 / クローナリティー / マイクロダイセクション / HUMARA法 |
Research Abstract |
1.様々な皮膚疾患における皮疹部の細胞集団についてのクローナリティーの検索を進めている。当初は凍結およびパラフィン包埋した組織の両者を用いていたが、遺伝子を解析する上で比較的不利と予想された後者においても、HUMARA法による解析が十分可能であることが判明し、現在は主としてホルマリン固定パラフィン包埋組織標本を用いている。なお、遺伝子解析を行うことに関する十分な同意が得られた患者のみを対象としている。 2.HUMARA法とは女性が持つ2本のX染色体上のHUMARA遺伝子における遺伝子多型を解析するものであるが、三塩基のSTR (short tandem repeats)であるために、PCR法によって増幅されたDNAの大きさの差は最小で3bpになると考えられる。したがって、従来のゲル型電気泳動では分離困難であったが、ABI PRISM 310 Genetic Analyzerに付属するGeneScanと呼ばれるキャピラリー電気泳動法を用いることで、3bpのPCR産物を再現性よく分離することが可能となった。 3.マイクロダイセクションに関しては、Arcturus社の顕微鏡および関連キットを使用しており、数十個の細胞集団からでもDNA抽出および解析が可能であることがすでに確認できているが、顕微鏡の視野内で目的とする細胞のみを採取したい場合でも、周辺にある細胞まで一緒に採取されてしまうことがあり、正確性にかけてしまい、後の解析に影響を及ぼすことになる。しかし、試行錯誤の結果、細胞採取の正確性はかなり高めることができた。 4.パラフィン包埋組織標本からのマイクロダイセクションによる細胞採取、DNA抽出、およびHUMARA法によるDNA解析に至る流れの中で、それぞれの最適条件を決定することに関しては終了した。
|