Research Abstract |
今期の実験目標は、カルベジロール2mgおよび20mg/Kg/day投与による(1)心筋重量/体重比,(2)血中の心筋障害マーカーとしてCPK,(3)心筋および血中交感神経活性を示すノルエピネフリン(Adr),ノルアドレナリン(Norado),ドーパミン(Dopa)の測定および(4)21週令に^<125>I-MIBGを経静脈的に投与し,4時間後に堵殺後心筋でマクロオートラジオグラフィーを行い、検討した。 (1-3)7週令のF1bハムスター(F),心不全群Bio53.58ハムスター(B)およびβブロッカーであるカルベジロールをゾンデにより強制飲水さ2mg/Kg/day:低容量群(CL)および20mg/Kg/day:高用量群(CH)の4群各6匹づつ,FおよびBのコントロール群において14週間vehicleを摂取,CLおよびCHにおいて14週間カルベジロールを摂取させ,21週令まで飼育した。4群の心筋重量/体重比は、2.85*10^3,2.62*10^3,2.54*10^3,2.61*10^3とCL群において心筋重量の増加を抑制傾向が示された。CPKは,2.26*10^3,32.38*10^3,57.50*10^3,25.56*10^3U/1とCH群においてCPKの増加の抑制傾向が示された。血中のAdr 10.13*10^3,9.36*10^3,10.11*10^3,7.67*10^3ng/ml, Norado 255.51*10^3,205.38*10^3,187.83*10^3,204.67*10^3ng/ml, Dopa 13.32*10^3,10.76*10^3,7.79*10^3,11.44*10^3ng/mlとCL群において血液中の交感神経活性が抑制されることが示された。また,心筋においてはAdr 89.93*10^3,122.36*10^3,120.66*10^3,90.82*10^3ng/ml, Norado 2309.51*10^3,^*2759.43*10^3,^*2307.96*10^3,^*2421.72*10^3ng/ml(^*P<0.0001),Dopa 121.80*10^3,*140.08*10^3,^*97.47*10^3,135.36*10^3ng/ml(^*P<0.01)とCLおよびCH群において交感神経活性が抑制されることが示された。 (4)21週令の4群において,^<125>I-MIBGを経静脈的に投与し,4時間後に堵殺,心筋における^<125>I-MIBGのアイソトープカウントを測定後,体重補正により%ID/g^*体重(g)/1000=%KgID/gを求めた。0.91,0.64,0.58,0.6とBio53.58ハムスターの心筋アイソトープカウントが有意に低値であることが示されるも薬剤容量で差を認めなかった(P<0.001)。また,アイソトープの局在を%ID/gにより心外膜および心内膜における前壁,側壁,後壁,中隔の1症例に対して,8ポイント測定を行い,Fの心外膜9.90-11.26および心内膜8.76-10.35,B(7.85-9.68;7.39-8.99),CL(6.33-7.73;5.74-6.92),CH(6.6-7.82;6.00-6.77)と薬剤投与群において局所の%ID/gの低下傾向を認めた。(1)-(3)の検討においてカルベジロール容量は,低容量が最適と考えられた。また、病理組織像の繊維化の分布と^<125>I-MIBGの心筋局在について現在,解析中である。
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