2002 Fiscal Year Annual Research Report
網羅的遺伝子発現解析による精神分裂病慢性期における薬物治療構築の研究
Project/Area Number |
14657234
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
森岡 洋史 鹿児島大学, 保健管理センター, 助教授 (10210147)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 芳夫 鹿児島大学, 保健管理センター, 教授 (80157148)
岩田 真一 鹿児島大学, 医学部, 助手 (60253861)
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Keywords | 統合失調症 / ATAC-PCR / ハロペリドール / 網羅的遺伝子発現 |
Research Abstract |
本年度は研究の初年度であり、実験のセットアップと予備実験をおこなった。 セットアップ 網羅的遺伝子発現解析で調べる遺伝子候補を文献などから選択した。神経細胞死、細胞周期、シナプス関連、神経突起局在分子など約500個強の遺伝子を検索した。それらのmRNAの配列を調べ今回使用する制限酵素であるMbo IやHha Iで切断可能であるか検討した。次にPCR産物が100-200bpになるように遺伝子特異的プライマーを専用のソフトウエアーを使用して設計した。 予備実験 実験に使用した動物は遺伝子情報の多いマウスを使用した。脳の部位としてはdorsolateral refrontal cortexを使用した。文献では統合失調症(精神分裂病)では前頭葉で脳血流やグルコース代謝などが低下しているというSPECTやPETを用いた研究があるので上記の部位を使用した。ABI310シークエンサーでPCR産物を電気泳動して、PCR産物の長さを求め、計算上の値と同じであるならば、その遺伝子は発現しているとした。その結果約100弱の遺伝子の発現が確認できた。前回、中脳腹側で行った同様の実験では300個弱の遺伝子をスクリーニングした時、約80個の遺伝子の発現が確認できた。今回はそれに比べると遺伝子発現の種類が少なかった。つまり、前頭前野は中脳腹側よりも遺伝子の発現に多様性がないということである。 本実験 もっとも典型的な抗精神病薬であるハロペリドールを2週間投与したマウスを断頭し、dorsolateral prefrontal cortexを取り出し、一群7-8匹で現在、実験中である。ハロペリドール以外にatypical neurolepticであるクロザピンやオランザピンでの変化も検討する予定である。
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