2002 Fiscal Year Annual Research Report
性ホルモンは、変異インスリン分子の膵β細胞毒性に影響するか?
Project/Area Number |
14657268
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
泉 哲郎 群馬大学, 生体調節研究所, 教授 (00212952)
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Keywords | 糖尿病 / インスリン分泌 / インスリン遺伝子異常 / 膵β細胞 / 性ホルモン |
Research Abstract |
申請者は、常染色体優性遺伝形式を示す糖尿病モデルModyマウス(別名Akitaマウス)の原因遺伝子が、インスリン2遺伝子の点突然変異によることを過去に見出している。本変異は、インスリンA鎖第7番目のシステイン残基をチロシン残基に置換し、A・B鎖間に存在するdisulfide結合の1つを形成できなくする。折りたたみ不全の変異プロインスリンは、小胞体品質管理機構によりゴルジ装置以降へ輸送されず、インスリン分泌不全が起こる。その結果Modyマウスは強い耐糖能障害を呈するが、その程度は、オスに比しメスでは軽度である。これまでの交配実験の結果より、この耐糖能の性差は、X、Y染色体遺伝子、ミトコンドリア遺伝子、インプリント遺伝子などの遺伝情報の違いによるものではなく、性染色体構成の差に依存し、性ホルモンの影響が最も考えられた。しかし最近、ModyマウスをSPF、conventional環境下で飼育・比較したところ、耐糖能の性差がSPF環境下で減弱することを認め、性ホルモン以外の要因も考えられた。そこで本年はまず、本マウスにおいて、変異プロインスリンが膵β細胞障害やインスリン分泌不全を起こす機序を解析した。その結果、構成性に分泌される分泌型アルカリフォスファターゼの細胞内輸送が、Modyマウス膵β細胞で、正常に比し減少していることを見出した。電顕による膵β細胞の形態学的観察で、分泌顆粒の縮小・小胞体様オルガネラ内腔拡大が糖尿病発症時の4週齢から認められ、さらにミトコンドリアやライゾームの膨潤など細胞変性像が年齢とともに増悪した。以上の所見は、変異プロインスリンの細胞内蓄積が、非特異的オルガネラ機能不全を引き起こし、共存する正常インスリンの分泌不全もきたしていることを示唆している。今後は、膵β細胞障害過程を性差および他の要因がどのように修飾するかを研究していきたい。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Yi Z, Yokota H, Torii S, Aoki T, Hosaka M, Zhao S, Takata K, Takeuchi T, Izumi T: "The Rab27a/granuphilin complex regulates the exocytosis of insulin-containing dense-core granules"Mol. Cell. Biol.. 22. 1858-1867 (2002)
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[Publications] Zhao S, Torii S, Yokota-Hashimoto H, Takeuchi T, Izumi T: "Involvement of Rab27b in the regulated secretion of pituitary hormones"Endocrinology. 143. 1817-1824 (2002)
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[Publications] Nagashima K, Torii S, Yi Z, lgarashi M, Okamoto K, Takeuchi T, Izumi T: "Melanophilin directly links Rab27a and myosin Va through its distinct coiled-coil regions"FEBS Lett.. 517. 233-238 (2002)
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[Publications] Torii S, Zhao S, Yi Z, Takeuchi T, Izumi T: "Granuphilin modulates the exocytosis of secretory granules through interaction with syntaxin 1a"Mol. Cell. Biol.. 22. 5518-5526 (2002)
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[Publications] Izumi T, Yokota-Hashimoto H, Zhao S, Wang J, Halban PA, Takeuchi T: "Dominant negative pathogenesis by mutant proinsulin in the Akita diabetic mouse"Diabetes. 52. 409-416 (2003)
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[Publications] Yaguchi M, Nagashima K, Izumi T, Okamoto K: "Neurological study of C57BL/6Akita mouse, type 2 diabetic model : enhanced expression of αB-crystallin in oligodendrocytes"Neuropathology. (in press). (2003)