2003 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト大腸全摘術後残存小腸における定量的水分電解質吸収能解析システム確立
Project/Area Number |
14657295
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
福島 浩平 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (20271900)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舟山 裕士 東北大学, 医学部附属病院, 講師 (50192315)
佐々木 巌 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60125557)
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Keywords | 大腸全摘 / 潰瘍性大腸炎 / intestinal adaptation / Ussing chamber / SGLT1 / ENaC |
Research Abstract |
1、ヒト生検粘膜組織を用いた電気生理学的検討 ヒト生検組織を用いた電気生理学的な検討システムを樹立しえた。ヒト生検組織は、倫理委員会で承認された様式に乗っ取り、インフォームドコンセントのもと潰瘍性大腸炎の初回手術時の回腸末端部、Coveringi ileostomy閉鎖時の回腸粘膜、さらに回腸パウチから採取した。viabilityの指標として、SGLT1によるナトリウムグルコース共輸送系短絡電流の発生を指標とした。現在までのところサンプル数は少ないものの、大腸全摘術後のアミロライド感受性短絡電流の増加や、ループ式回腸瘻の口側(管腔内での食物との接触あり)と肛門側(管腔内での食物との接触なし)ではグルコース投与による短絡電流の増加は(予想に反し)あまり違いがないなどの結果が出ている。 2、生検組織を用いた電解質輸送関連分子発現の定量的評価 前年度のレーザーカプチャーによるマイクロダイセクション法によるRNA調整の予備的検討に引き続いて、定量的RT-PCRのための条件設定を行った。サンプルは、ヒト大腸手術標本より分離した上皮細胞RNAを用い、アルドステロン関連分子(mineralocorticoid receptor、glucocorticoid receptor、11b-hydroxysteroid dehydrogenase type 2、prostasin、epithelial sodium channel a-、b-、g-subunit)とハウスキーピング遺伝子(b-actin、GAPDH)mRNA定量のためのprimer設定、反応条件などを検討、確立した。 3、本プロジェクトの当初の目標であった「ヒト生検組織を用いた定量的電解質輸送能解析のためのシステムの確立」はほぼ達成し得たものと考える。しかし、生検組織を電気生理学的検討に用いるにしても全例うまくいくわけではなく、約半数が生検時の組織損傷やviabilityの低下によって測定に供することができないなど、さらなる工夫が必要である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] S.Sato, K.Fukushima et al.: "Induction of 11β-Hydroxysteroid Dehydrogenase Type 2 and Hyperaldosteronism are Essential for Enhanced Sodium Absorption after Total Colectomy in Rats"Surgery. In press. (2004)
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[Publications] K.Fukushima et al.: "In vivo induction of prostasin mRNA in colonc epithelial cells by dietary sodium depletion and aldosterone infusion in rats"J Gastroenterology. In press. (2004)