2002 Fiscal Year Annual Research Report
膵癌RNAを導入した樹状細胞による癌ワクチンの開発
Project/Area Number |
14657298
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
江川 新一 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (00270679)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福山 尚冶 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (10344673)
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Keywords | 膵癌 / 免疫療法 / 樹状細胞 / CTL / RNAワクチン |
Research Abstract |
A)教室では肝転移を有する切除不能な膵癌患者において、原発巣に術中照射を施行し、直後に樹状細胞を注入する第1相臨床試験を施行した。対象となった10例のなかで肝転移が縮小したと考えられる症例が2例あり、1例は2年生存中である。しかし、残りの9例は肝転移により死亡しており、腫瘍ワクチンとして樹状細胞を用いる方法はいまだ満足すべきものではない。本研究は樹状細胞にRNAを抗原としてとりこませたときの抗原提示能を測定した。 B)ヒト末梢血単核球からPercollを用いて単球を分離し、GM-CSFとIL-4存在下に6日間培養し、安定して質のよい樹状細胞を誘導する技術を確立した。膵癌の培養上清を樹状細胞に添加したところ、CD83の上昇やMHC class II抗原の発現が増強したが、使用していた膵癌細胞にマイコプラズマが感染していたことが判明し、マイコプラズマを除去して実験を繰り返すうちに成熟は起きないことが確認された。 C)Pseudomaturationは樹状細胞が成熟した表現型をとるが、T細胞の抗原特異的な増殖を強力に抑制する現象であるが、マイコプラズマを除去した系で実験をすすめるうちにT細胞の増殖抑制は起きないことが確認された。 D)さらに膵癌細胞株のRNAを添加した樹状細胞をSEBで刺激したNaive T細胞と共培養し、T細胞の増殖を刺激する抗原提示能を測定したところ、T細胞への抑制効果はみられず、RNAを抗原としてとりこませた樹状細胞をワクチンとして使用する可能性が示唆された。 E)RNAをとりこませた樹状細胞をもちいてCD8 T細胞を刺激し、腫瘍特異的なCTLを誘導する試みを行ったが、CTLクローンを作成することには成功していない。樹状細胞の抗原提示能力を高める方策としてセンダイウイルスのエンベロープを用いて樹状細胞と膵癌細胞のfusionを作成し、抗原提示させる実験を検討中である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Son YI, Egawa S, Kanto T, et al.: "A novel bulk-culture method for generating mature dendritic cells from mouse bone marrow cells"J Immunol Methods. 262(1-2). 145-157 (2002)
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[Publications] Mailliard R, Egawa S, Kalinski P, et al.: "Complementary dendritic cell-activbating function of CD8+ and CD4+ T cells : helper role of CD8+ T cells in the development of T helper type 1 responses"J Exp Med. 195(4). 473-483 (2002)
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[Publications] Oonuma M, Sunamura M, Egawa S, et al.: "Gene therapy for intraperitoneally disseminated pancreatic cancers by Escherichia coli uracil phosphoribosiltransferase (UPRT) gene mediated by restricted replication-conpetent adenoviral vectors"Int J Cancer. 102(1). 51-59 (2002)
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[Publications] Mikami Y, Takeda K, Egawa S, et al.: "Peritoneal inflammatory cells in acute pancreatitis : Relationship of infiltration dynamics and cytokine production with severity of illness"Surgery. 132(1). 86-92 (2002)