2002 Fiscal Year Annual Research Report
新しく開発したコラーゲンゲル法を用いたアポトーシスによる抗癌剤感受性試験の試み
Project/Area Number |
14657304
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
川口 順敬 岐阜大学, 医学部, 助手 (50252135)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉山 保幸 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (90211309)
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Keywords | apoptosis / 抗癌剤感受性試験 / p53遺伝子 |
Research Abstract |
5FU, CDDP, low dose FP等を濃度別にヒト胃癌細胞株、ヒト大腸癌細胞株に添加した場合のapoptosis誘導において、各標的細胞のp53遺伝子発現様式との間に興味ある関連が示唆されたので報告し研究継続中である。ヒト胃癌細胞株MKN45(p53 wild type)、MKN28(p53 mutant type)、或いはヒト大腸癌細胞株HCT116(p53 wild type)、SW480(p53 mutant type)を多種濃度の5FU単独、CDDP単独,或いはlow dose FPを、flow cytometoryにてDNA contentを測定した。この結果を用いてコラーゲンゲル培養し、相対する各細胞を詳細に比較観察し、alive, apoptosis, necrosis及び分類不能型の4形態に亜分類した。ヒト胃癌細胞株MKN45は、5FU及びCDDPの低用量単独投与時にはapoptosisの誘導はみられなかったが、低用量でも併用投与群は有意のapoptosis誘導が観察された。一方、MKN28は5FU及びCDDPの単独或いは低用量併用の何れでもapoptosisの誘導は軽度であった。ヒト大腸癌細胞株HCT116は、5FU, CDDPの単独投与と比べ、低用量でも併用投与群でapoptosisの誘導が有意に増加した。一方、SW480は5FU及びCDDPの単独或いは低用量併用の何れでもapoptosisの誘導は認められなかった。さらに多くのCell lineで検討の必要はあるが、ヒト胃癌及び大腸癌細胞株のどちらにおいても、p53遺伝子がwild typeである場合にlow dose FP投与でapoptosisが有意に誘導された。さらに現段階において、ヒト胃癌、大腸癌、乳癌、肝細胞癌株についてcell lineおよび抗癌剤の種類を変え検討研究中である。 以上の成果を2002年10月第40回日本癌治療学会「コラーゲンゲル法を用いたアポトーシスによるヒト胃癌細胞株の抗癌剤感受性試験の試み」、2002年11月第15回日本バイオセラピイー学会「大腸癌細胞株のアポトーシス誘導を指標としたコラーゲンゲル法による抗癌剤感受性試験の検討」の題目にて発表した。
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