2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14657308
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松浦 成昭 大阪大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70190402)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河口 直正 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (70224748)
東山 繁樹 愛媛大学, 医学部, 教授 (60202272)
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Keywords | プロテアーゼインヒビター / セリン・プロテアーゼ / 血管新生 / 転移 / アポトーシス |
Research Abstract |
腫瘍の増殖・進展において血管新生は不可欠な現象であり、近年これらに関与する種々の分子をターゲットとした血管新生阻害剤の研究が進められている。今年度は、serine_protease inhibitorの1つであるulinastatinの血管新生抑制効果について検討した。1)肺癌細胞A549またはEBC-1を注入したMillipore filter付きchamberをマウス背部皮下に植え込んだ。Ulinastatinを7日間皮下投与した群(U群)と非投与対照群(C群)に分け、7日後、chamberを周囲組織と共に摘出し、新生血管を実体顕微鏡にて観察、画像をコンピューターに取り込み血管長総和を計測した。その結果、A549の新生血管平均総長は、U群(993)はC群(1870)と比べて有意に減少し、EBC-1においても、U群(1051)はC群(2115)と比べて有意に減少した。2)EBC-1をマウス背部皮下に移植し、8日目よりPBS(P群)またはulinastatin(U群)を7日間連続皮下投与した。15日目に皮下腫瘍を摘出し、CD31の免疫染色及びTUNEL assayを行った。その結果、CD31陽性腫瘍内血管数は、U群(66.1)は、P群(107.6)に比べて有意に減少した。TUNEL assayによる腫瘍内アポトーシス陽性細胞数は、U群(11.10±4.19)はP群(4.25±3.17)と比べて有意に増加していた。3)A549をスキッドマウスの尾静脈から投与して、投与日から14日間PBS(P群)またはulinastatin(U群)を連続皮下投与した29日目にマウスをsacrificeし、転移を検索した。肺における転移巣の占める割合を算出したところ、P群(0.71)に比べてU群(0.49)は有意に低下が認められた。以上より、Ulinastatinは血管新生を抑制し、腫瘍におけるアポトーシスの亢進、転移巣の減少をおこした。
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Research Products
(7 results)