2002 Fiscal Year Annual Research Report
直腸癌におけるセンチネルリンパ節とそのコンセプトに基づいた手術の妥当性の検討
Project/Area Number |
14657312
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
寺本 龍生 東邦大学, 医学部, 教授 (00146713)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三木 敏嗣 東邦大学, 医学部, 助手 (30307756)
船橋 公彦 東邦大学, 医学部, 講師 (90297698)
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Keywords | sentinel node / 直腸癌 / sentinel node concept / 直腸リンパ流 |
Research Abstract |
我々は平成12年より^<99m>Tc-tin colloidを用いて進行直腸癌にたいしSentinel Node(SN)同定法を施行してきた。平成14年度は7例、合計33例で結果は正診例26例、同定不能(ND)5例、偽陰性(FN)2例、SN同定率は84.8%(28/33)、平均SN個数4.6個、正診率92.9%(26/28)であった。これらからSN conceptの成立条件について臨床病理学的に検討した。占居部位別では、RbP症例7例中5例がND及びFNで同定率42.9%(3/7)、正診率66.7%(2/3)に対し、Rs〜Rbではそれぞれ95.8%(23/24)、95.7%(22/23)で、環周度では2/3周以内でともに100%、亜全周〜全周症例は64.3%(9/14)、77.7%(7/9)であった。組織学的には深達度T2までの16例での同定率、正診率は100%であったが、17例のT3症例にはND及びFNが含まれ、それぞれ70.6%(12/17)、83.3%(10/12)であった。組織型ではwelの同定率、正診率は、100%(10/10)、mode・muci・porでは78.3%(18/23)、88.9%(16/18)であった。以上から現段階でのSN conceptの成立条件は1.占居部位:腫瘍下縁がPにかからない2.深達度:al(ss)以浅3.環周度:2/3周以下であった。また下部直腸癌正診症例24例を対象とし、SNのリンパ節Mapおよび転移状況から直腸癌におけるリンパ流について検討した。正診24例における総SN個数は105個で、SNは腫瘍直下251に33.3%(35/105)、251n1に41%(43/105)、251n2に19%(20/105)、252に1.9%(2/105)、側方リンパ節に3.8%(4/105、lt262:3個、280:1個)存在した。症例別にみると1群のみにSNを認めた症例は10/24(41.7%)例で上方向2群にも認めた症例は10/24(41.7%)例、側方向にも認めた症例は3/24(12.5%)であった。側方向にSNをみとめた4個の占居部位はRab:2例とRba:1例であった。SNに転移を認めた11/24(45.8%)例を検討すると、81.8%(9/11)が1群のSNに転移を認めたが、18.2%(2/11)が2群のSNのみに転移を認めた。直腸のリンパ流はほとんどが腫瘍から1群リンパ節に向い、側方に向かうリンパ流は個数別で3.8%、症例別で12.5%、すべて腫瘍占居部位がRbにかかっているものであった。これらの検体におけるtin colloidの存在を視覚化するため化学反応による色素化を検討し、invitroでは赤色変化をおこすことまではできたが、薄切標本においては染色されず、現在再検討中である。局所のリンパ管構築を調べるため、これまでに得られた手術検体を用いたリンパ管染色を検討したが、通常の組織固定ではうまくいかず、現在特殊な組織固定を用いた免疫組織学染色を検討中である(平成15年度予定)。また至適スズコロイドの粒子径を検討するために、現在の調整における粒子径をマイクロフィルター法を用いて計測中である。
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