2002 Fiscal Year Annual Research Report
組織再生型人工神経を用いた横隔神経の再建と横隔膜機能回復の研究
Project/Area Number |
14657321
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Research Institution | Kagawa Medical School |
Principal Investigator |
横見瀬 裕保 香川医科大学, 医学部, 教授 (80231728)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 卓 香川医科大学, 医学部附属病院, 助手 (20314932)
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Keywords | 人工神経 / コラーゲン / 神経突起成長 / PC12細胞 / 脊髄後神経節細胞 / 3次元細胞培養 / 神経成長因子 / ラミニン |
Research Abstract |
種々の人工神経の研究開発が進み臨床での末梢神経再生が可能となりつつある。なかでもコラーゲン・ラミニンスポンジを生体分解性のポリグリコール酸メッシュで被覆した人工神経は神経の再生に適した微小環境を移植部位に導入することで、基礎実験に引き続き臨床治験でも良好な結果を示している。しかし人工神経での臨床的再生は知覚神経が主となっている。なぜなら運動神経の臨床的再生は神経再生のみならず、脱神経後の筋肉萎縮を防がねば神経が再生しても有効な筋肉に収縮がおこらないからである。 我々はこれまでの人工神経を改良しさらに短時間で神経線維切断端の再結合・刺激伝道系の再開を試みるとともに、電気信号を効果器へ伝えることの可能な電気伝導性の高い材料を使用した人工神経を作成することで神経再生までの効果器である筋肉の萎縮を最小限にとどめ、神経再生と同時に筋肉の運動も回復するような人工神経の開発を目指している。臨床使用対象は肺癌手術際、切断を余儀なくされることがあり、さらに再生が可能となった暁には残存肺機能の効果的温存が得られるという利点のある横隔神経を念頭においている。 今年度は神経細胞類似の細胞系として知られるPC12細胞および後根神経節を用い、組織再生の足場としてのコラーゲンの形状・および徐放させる成長因子の検討を行っている。PC12細胞を用いた種々のポアサイズのグルタールアルデヒド架橋コラーゲンスポンジ上で神経突起培養実験では、ポアサイズの変化によらず神経突起の再生は通常の硝子板上の培養での神経突起再生と比べても著しく劣った結果となっている。さらにラット後根神経節細胞の同様の実験でもコラーゲンスポンジ上での神経突起再生は不良である結果を得つつある。 今後はコラーゲンスポンジ作成法を乾熱架橋へ変更し架橋程度を弱め同様の実験を行い、In vitroで得られた結果のIn vivoでの再現性を検討する予定である。
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