2003 Fiscal Year Annual Research Report
血液透過型内視鏡の開発を目的とした赤血球の光学的性質の研究
Project/Area Number |
14657323
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
小田 勝志 高知大学, 医学部, 助手 (80274372)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸名 正英 高知工科大学, 工学部, 実験講師 (10322588)
笹栗 志朗 高知大学, 医学部, 教授 (60196186)
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Keywords | 赤血球 / 吸光度 / 散乱 / 血管内視鏡 / レーザートラップ法 / 細胞操作 / ICG / レーザー |
Research Abstract |
本年度は血管壁の観察や心臓壁を画像化するために、蛍光物質を用いた造影効果について基礎的な検討を行った。まずインジゴカルミン、パテントブルー、インドシアニングリーン(ICG)など生体によく使用される薬剤を用いて吸光度を求めた。これらの吸光度曲線から生体内で最も透過が高くなる波長(800-1000nm)に最大の吸光度と励起光を示したICGを増感剤として用いた。ICGによる励起光の血夜透過性をみるため、顕微鏡にフィルタと赤外カメラを組み込んで、外部からレーザー光を当てる装置を作成した。この実験装置を用いてイヌ血液を用いて血液の透過性実験を行った。血液の下方にICGを置き上方から血液サンプルを通過するように800nmのレーザー光を当てた。血液の厚さを1mm毎に増加させてICGの励起光を観察したが、4mm以上の厚さでは励起光の観察が困難となった。ICGにより増強すれば血管壁の近接像は画像化の可能性があるものと考えられた。また生体外より生体内を観察することは極めて有用な方法である。まず生体での透過深度を見るためにラット下腿筋層内の各層にICG(1mg/ml)を注入した。800nmの波長のレーザー光を経皮的に下腿に当てICGを励起させ15分後より2時間後まで経時的に励起光の観察を行った。5mmの深度までは連続波、フェムト秒レーザーともにICGの励起光の観察は可能であった。10mmの下腿筋層深部の注入したICGでは励起光を画像化することはできず、この深さでの生体通過は困難であると考えられた。今後血液、生体ともに透過性を高めるために更なる工夫が必要と思われた。さらに赤血球自体の散乱パターンを求めるため、レーザートラップ法を用いて、赤血球をトラップし、マニピュレーターを用いて操作する装置を作成し、レーザー光による散乱パターンの観察実験を行った。
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