2004 Fiscal Year Annual Research Report
血液透過型レーザー内視鏡の開発を目的とした赤血球の光学的性質の研究
Project/Area Number |
14657323
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
小田 勝志 高知大学, 医学部附属病院, 助手 (80274372)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹栗 志朗 高知大学, 医学部, 教授 (60196186)
木村 正廣 高知工科大学, 工学部, 教授 (40028238)
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Keywords | 血液透過 / レーザー / 内視鏡 / 赤血球 / 散乱 / 血管内治療 |
Research Abstract |
血液を通して画像を得るためには、μmのサイズの散乱体(赤血球など)による光の散乱をいかに抑えるかという問題を解決しなければならない。そのために、 ●血液の吸光度の波長依存性 ●血液の散乱断面積の波長依存性 を検討した。血液吸光度の波長特性について測定を行い、600nm〜1400nmの間で血液吸光度が低くなることを確かめた。このことより血液(ヘモグロビン)に吸収されにくい800nmのレーザー光を用いて静脈瘤の血管内レーザー治療を行った。800nmでは血液の損傷凝固といった作用が強く、血管壁に穴が開いてしまうために観察用の波長としては不適切である可能性が示唆された。その後さらに検討を加えて、1320nmのヤグレーザーによる血管内治療のための実験をおこなった。この波長では血液の吸収される割合が低く、800nmで見られた血液の凝固が起こりにくいことが示唆された。このことから近赤外領域の波長による画像化の可能性について実験を行った。また血管の経皮的画像化の可能性を探るために、各種蛍光物質(ICG、インジゴカルミン パテントブルーなど)の吸光度曲線を測定してその特性を明らかにした。最も良く臨床使用されるICGでは、800nm付近で最も吸収され、励起光は1100nm付近で観察されるが、このことより静脈内に注入したICGに800nmの光を経皮的に当て散乱光をフィルターで除去することにより経皮的な静脈の観察を行うことが可能となった。単一赤血球の光散乱強度の高分解能測定について、血液の散乱断面積の測定を、狭線幅のレーザー光を光源としてもちい、生理食塩水中でトラップした単一赤血球について近赤外領域(700-1500nm)における赤血球の光学的性質を0.001cm^<-1>の波長精度で測定した。数値計算を実験条件(生理食塩水中の酸素濃度、赤血球のサイズ)と測定結果をパラメータとして行った。
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Research Products
(3 results)