2002 Fiscal Year Annual Research Report
低酸素血症誘導性肺高血圧に対するCardiotrophin-1の効果の検討
Project/Area Number |
14657325
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
三島 晃 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00254277)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅野 實樹 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (20275134)
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Keywords | 慢性低酸素 / 肺高血圧症 / cardiotrophin-1 |
Research Abstract |
【方法】4週齢雄Wistarラットをnormoxia群(n=39)、CT-1+normoxia群(n=18)、hypoxia群(n=30)、CT-1+hypoxia群(n=21)の4群に分けた。normoxiaの2群は室内空気環境下で、hypoxiaの2群はO_210%環境下で9日間飼育した。同期間にCT-1投与の2群にはmouse recombinant CT-1 50μg/kgを、他の2群には同量のリン酸バッファー液を1日1回腹腔内投与した。10日目に、(i)人工呼吸、麻酔下に肺動脈圧、体血圧、心拍数を測定した。また肺体血圧比(Pp/Ps)を求め比較した。(ii)体重(BW)、右室自由壁重量(RV)、左室および心室中隔重量(LV+S)をそれぞれ測定し、RV/(LV+S)、RV/BWを検討した。 【結果】(i)平均肺動脈圧はnormoxia群、CT-1+normoxia群、hypoxia群、CT-1+hypoxia群でそれぞれ20.3±4.0、21.1±2.4、33.9±6.6、27.9±4.1mmHgでCT-1+hypoxia群ではhypoxia群に比べ有意に低かった(P=0.0019)。さらに、Pp/PsはCT-1+hypoxia群(0.31±0.06)ではhypoxia群(0.40±0.09)に比べ有意に低かった(P=0.0005)。またPp/Psはnormoxia群(0.26±0.05)とCT-1+hypoxia群の間に差はなかった。平均体血圧および心拍数は4群間に差を認めなかった。(ii)RV/(LV+S)はCT-1+hypoxia群(0.36±0.07)ではhypoxia群(0.42±0.05)に比べ有意に低かった(P<0.0001)。同様に、RV/BWはCT-1+hypoxia群(1.08±0.17mg/g)ではhypoxia群(1.29±0.16mg/g>に比べ有意に低かった(P<0.0001)。 【総括】(i)CT-1は肺動脈圧の上昇を抑制し肺高血圧を予防した。(ii)CT-1は低酸素誘導性肺高血圧による右室肥大の進行を抑制した。
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