2003 Fiscal Year Annual Research Report
低酸素血症誘導性肺高血圧に対するCardiotrophin-1の効果の検討
Project/Area Number |
14657325
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
三島 晃 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00254277)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅野 實樹 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (20275134)
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Keywords | cardiotrophin-1 / 低酸素血症 / 肺高血圧症 / 血管内皮機能 / 一酸化窒素 |
Research Abstract |
【方法】4週齢雄Wistarラットをnormoxia群(n=12)、CT-1+normoxia群(n=11)、hypoxia群(n-12)、CT-1+hypoxia群(n=10)の4群に分けた。normoxiaの2群は室内空気環境下で、hypoxiaの2群はO_210%環境下で9日間飼育した。同期間にCT-1投与の2群にはmouse recombinant CT-1 50μg/kgを、他の2群には同量のリン酸バッファー液を1日1回腹腔内投与した。(i)10日目に肺動脈リングを採取しnorepinephrineで収縮後にacetylcholine(ACh)またはsodium nitroprusside(SNP)を加え、AChまたはSNP各濃度(10^<-9>〜10^<-5>M)における内皮依存性および非依存性の血管弛緩能(%relaxation)を比較検討した。(ii)摘出した肺をホルマリン固定し、Hematoxylin-Eosin染色とElastica-Masson染色した組織標本で肺動脈中膜肥厚を評価した。 【結果】(i)AChによる%relaxation(normoxia群、CT-1+normoxia群、hypoxia群、CT-1+hypoxia群)はACh10^<-5>Mでそれぞれ59.5±17.4、52.8±15.5、17.4±4.8、42.3±14.8%であり、CT-1+hypoxia群ではhypoxia群と比べ内皮依存性血管弛緩反応の障害が軽減された(P<0.01)。SNPによる%relaxationではCT-1+hypoxia群とhypoxia群の間に差はなく、CT-1は内皮非依存性血管弛緩反応に影響を与えなかった。(ii)径200-1000μmの肺動脈ではCT-1+hypoxia群、hypoxia群とも中膜肥厚は著明でCT-1投与による差はなかった。 【総括】CT-1は内皮依存性血管弛緩反応の障害を軽減させた。前年度の研究でCT-1が肺動脈圧の上昇を抑制することを明らかにしているが、このメカニズムにCT-1の内皮依存性血管弛緩反応障害軽減作用が関与すると考えられた。CT-1は肺高血圧の治療に有効であると考えられた。
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Research Products
(1 results)