2004 Fiscal Year Annual Research Report
脳血管障害におけるオピオイドペプチドの新しい働き:ヘモルフィンの関与
Project/Area Number |
14657332
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
吉田 秀見 弘前大学, 医学部, 講師 (40201008)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今泉 忠淳 弘前大学, 医学部, 助手 (90232602)
佐藤 敬 弘前大学, 医学部, 教授 (20125438)
早狩 誠 弘前大学, 医学部, 助教授 (80156421)
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Keywords | アストロサイト / ヘモルフィン / プラスミノーゲン / オピオイド / グリア / 脳血管障害 / 脳出血 / 低酸素 |
Research Abstract |
・正常ヒトアストロサイトの培養系を用い,オピオイドペプチドLVV-hemorphin-7(LH7)で刺激したアストロサイトにおけるplasminogen activator inhibitor-1 (PAI-1)遺伝子の発現を検討した。逆転写PCR(RT-PCR)法及び定量PCR(real-time PCR)法によりmRNA発現を,酵素免疫(ELISA)法によりタンパク質発現の解析を行った。いずれの方法においてもLH7刺激アストロサイトにおけるPAI-1遺伝子発現の誘導を確認した。また,アンギオテンシンIV受容体に対する拮抗阻害薬Nle^1,Leu^3-angiotensin IV,並びに,安定な作動薬Nle^1-angiotensin IVを用いた刺激実験を行い,LH7の作用がアンギオテンシンIV受容体を介することを確認した。LH7はアストロサイトのPAI-1分泌を高め,脳内細胞外基質の再構成に寄与している可能性があると考えられた。その作用機序の詳細についての解明は今後の検討課題である。 ・LH7刺激アストロサイトにおけるPAI-1以外の遺伝子発現をRT-PCR法及びreal-time PCR法により検討した。細胞間接着分子(ICAM-1),神経成長因子(NGF)及び血管内皮増殖因子(VEGF)についてmRNAの発現誘導が認められた。これらの遺伝子のタンパク質レベルでの発現検討は今後の課題に残された。虚血を想定した低酸素の影響については,その遺伝子発現に対する明確な効果は認められなかった。 ・これに先立ち条件検討を進めていた低酸素培養正常ヒトアストロサイトにおけるVEGF及びNGF発現に関する成果をまとめた(Brain Res 2002;944:65-72及びMol Brain Res 2005;133:95-101)。
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Research Products
(3 results)