2003 Fiscal Year Annual Research Report
骨粗鬆症患者の骨強度を高精度で臨床上実用的に評価できる方法の確立
Project/Area Number |
14657356
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
阿久根 徹 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (60282662)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 耕三 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (60126133)
岡崎 裕司 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (30241988)
大西 五三男 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (70311628)
竹下 克志 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (30262009)
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Keywords | 骨強度 / 有限要素法 / 骨粗鬆症 / 大腿骨頚部骨折 |
Research Abstract |
H15年度は、大腿骨近位部骨折を受傷した患者の非骨折側の大腿骨のCT画像収集を進めた。12名の大腿骨近位部骨折患者の非骨折側の大腿骨に対し,強度評価を行った。強度評価方法は、片脚起立時の条件を模擬した荷重・拘束条件、側方に転倒する条件と後側方に転倒する条件を模擬した3種類の荷重・拘束条件を利用した。それぞれの荷重・拘束条件に対して強度及び骨折危険領域の評価を行った。結果、骨折荷重は、片脚起立条件よりも転倒条件で有意に小さくなった。側方に転倒する条件よりも後側方に転倒する条件で、骨折荷重は小さくなった。骨折部位に関しては、片脚起立条件ではすべて頚部に骨折が予測され、後側方に転倒する条件で、すべて転子部に骨折が予測された。荷重方向により、骨折部位が変わると言うことが明らかとなった。骨強度ソフトウエアは、強度評価だけではなく、骨折の受傷機序等の解明に貢献する可能性を示すことができた。 今後、ヒト骨標本を利用した実証実験をおこなう予定である。実証実験用の治具を作成し、その治具の性能、実験法の確認のため、実証試験用の模擬大腿骨を使用し、圧縮実験を行った。結果は、骨強度、表面のひずみに関して、実験値と解析値は高い相関が見られることが明らかとなった。また、骨折部位に関しても、シミュレーション上予測された位置に現れた。治具の性能、実験法に特に問題は見られなかった。 また、上記の検討作業と同時に、東京大学医学部附属病院の各診療科において十分なインフォームドコンセントおよび東京大学医学部倫理委員会、各診療科、および患者遺族の承認のもとに、大腿骨の死体骨凍結標本の収集を行っている。
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Research Products
(1 results)