2002 Fiscal Year Annual Research Report
慢性関節リウマチにおける腱断裂機序の解明と治療法の確立
Project/Area Number |
14657357
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山本 基 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (00272584)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田尻 康人 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (30242051)
田中 栄 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (50282661)
星 和人 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (30344451)
織田 弘美 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (60101698)
川口 浩 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (40282660)
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Keywords | 関節リウマチ / マウス / 腱断裂 / 破骨細胞 / カテプシンK |
Research Abstract |
本研究の目的は、関節リウマチ患者の日常生活に大きな障害を来たす腱断裂の機序の解明と治療法の確立である。そのため、本年度は、まず、関節リウマチモデル動物の腱の形態学的解析を行った。関節リウマチモデル動物については、自然発症モデルSKGを使用する予定であったが、それらに加え、関節炎カクテル(免疫生物学研究所、群馬、日本)で誘導した関節リウマチマウスモデルも用いた。このモデルマウスは、生後7週齡Balb/cマウス(20g、n=6)に2mgの抗体混合液を静注し、5日後にさらに、LPS溶液(1ml)を腹腔内投与するもので、LPS投与後7日には足関節および足趾の腫脹が肉眼的にされる。いずれのマウスも、関節炎発症時には、組織学的に、関節周囲炎、軟骨・軟骨下骨組織の破壊、パンヌスの形成が見られ、アキレス腱周囲にも炎症が及び、菲薄化あるいは断裂を来たした。アキレス腱菲薄化部あるいは断裂部周囲には、多核を有する酒石酸抵抗性酸性ホスファターゼ陽性の破骨細胞様細胞が観察され、それらにはMMP-9、カテプシンKなどの、蛋白分解酵素の局在も観察された。したがって、これらの動物モデルにおける腱断裂には、多核の破骨細胞様細胞が重要な役割を果たすことが示唆された。 今後は、微細学的観察や組織化学的観察、分子生物学的解析を進め、実際に患者から得られる病理標本においても観察を進める予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Nakamura I, Kadono Y, Takayanagi H, Jimi E, Miyazaki T, Oda H, Nakamura K, Tanaka S, Rodan GA, Duong LT: "IL-1 Regulates Cytoskeletal Organization in Osteoclasts Via TNF Receptor-Associated Factor 6/c-Src Complex"J Immunology. 168. 5103-5109 (2002)
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[Publications] Yamamoto A, Miyazaki T, Kadono Y, Takayanagi H, Miura T, Nishina H, Katada T, Wakabayashi K, Oda H, Nakamura K, Tanaka S: "Possible involvement of IkappaB kinase 2 and MKK7 in osteoclastogenesis induced by receptor activator of nuclear factor kappaB ligand"J Bone Miner Res. 17. 612-621 (2002)
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[Publications] Juji, T., Hertz, M., Aoki, K., Horie, D., Ohya, K., Gautam, A., Mouritsen, S., Oda, H., Nakamura, K., Tanaka, S.: "A novel therapeutic vaccine approach, targeting RANKL, prevents bone destruction in bone-related disorders"J Bone Miner Metabolism. 20. 266-268 (2002)
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[Publications] 田中 栄: "RANKLワクチンによる新しい骨代謝疾患治療"CLINICAL CALCIUM. 12. 932-934 (2002)
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[Publications] 田中 栄: "骨粗しょう症の新しい治療"最新医学. 57. 1515-1523 (2002)