2002 Fiscal Year Annual Research Report
MRIラットにおける軟骨異常病態の解明とその原因遺伝子の同定
Project/Area Number |
14657359
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中村 耕三 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (60126133)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米田 嘉重郎 東京医科大学, 動物実験センター, 教授 (90074533)
川口 浩 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (40282660)
星 和人 東京大学, 医学部附属病院, 客員助教授 (30344451)
筑田 博隆 東京大学, 医学部附属病院, 寄附講座教員
|
Keywords | 成長軟骨板 / 内軟骨性骨化 / 骨折治癒 / 軟骨細胞 / cGK2 / 成長障害 |
Research Abstract |
MRIラットの組織学的検索および骨形態計測 野生型、MRIラットの成長軟骨、関節軟骨、気管軟骨について組織学的解析を行った。MRIでは、成長軟骨板の中間部に小型な軟骨細胞の層が出現しており、10週齢では成長軟骨板の厚さは、野生型の約2.6倍に増加していた。von Kossa染色では石灰化には差はなかった。また関節軟骨・気管軟骨には組織学的に差はなかった。骨組織形態計測では、単位骨量・骨梁幅・骨梁数に対照群との有意差はなかった。また骨形成の指標(骨芽細胞面、骨石灰化速度)および骨吸収面の指標(吸収面、破骨細胞数)も対照群との有意差はなかった。脛骨骨折モデルにおいてはMRIでは軟骨細胞の肥大化が野生型に比べ著明に遅延していた。 MRIラットにおける軟骨関連遺伝子の発現動態の解析 既知の軟骨関連因子の成長軟骨板における発現をIn situ hybridizationおよび免疫染色により解析した。前肥大軟骨細胞に発現するIhh・ALPの発現はMRI成長軟骨板の中間部ではみられず、成長軟骨下端に発現がみられた。またMRIでは10型コラーゲンは成長軟骨下端にのみ発現していた。 In vitroにおける軟骨細胞の増殖、分化に関する解析 4週齢ラット成長軟骨から軟骨細胞を単離し増殖・分化について検討した。軟骨細胞の増殖能には差はなかったが、アルシアンブルー染色、ALP染色を行ったところ、MRI由来の細胞では染色性が著明に減じており、分化能が低下していた。 原因遺伝子mriの同定 連鎖解析によって原因遺伝子座はD14rat6近傍にmapされた。この領域の候補遺伝子のうち、bmp3およびcGK2のcDNAの塩基配列を検討した。Bmp3では変異はみられなかったが、cGK2では220bpの欠失変異が同定された。これによりフレームシフトがおこり終始コドンが出現してtruncated productが産生されると推定された。
|