2003 Fiscal Year Annual Research Report
MRIラットにおける軟骨異常病態の解明とその原因遺伝子の同定
Project/Area Number |
14657359
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中村 耕三 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (60126133)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星 和人 東京大学, 医学部附属病院, 客員助教授(常勤形態) (30344451)
川口 浩 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (40282660)
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Keywords | KMIラット / 骨 / 軟骨 / 原因遺伝子 / 軟骨細胞 / 分化 / 増殖 / 連鎖解析 |
Research Abstract |
KMIラット(2003年MRIラットを改称)は常染色体劣性遺伝による小人症モデルラットで、四肢・体軸の3-4割の短縮を示すが、他の臓器異常や内分泌異常はない。本研究では、KMIラットの骨軟骨異常の病態解明、およびMRIラットの原因遺伝子の同定を目的として、昨年までに、KMIラットの組織学的、組織形態計測学的解析、KMIラットにおける軟骨関連遺伝子の発現動態の解析、In vitroにおける成長軟骨由来軟骨細胞の増殖、分化に関する解析を行った。 本年度は、原因遺伝子Kmiの同定を行った。すなわち、ラットゲノムライブラリーより、連鎖解析によってmapされたkmi locusを含むPACクローンをスクリーニングし、さらに、単離されたクローンをビオチンでラベルしたものをプローブとしてもちい、野生型ラットの成長軟骨組織より作製したcDNA libraryとハイブリダイズさせてcDNA selectionを行った。 その結果,KMI原因遺伝子座はD14rat6近傍にmappingされた。同領域の候補遺伝子を探索したところ,cGMP-dependent protein kinase 2(cGK2)遺伝子翻訳領域の220塩基の欠失によりstop codonが出現し,kinase domainを完全欠損したcGK2が産生されることが原因であることが明らかになった。 したがって、KMIの成長障害の本態はcGK2の機能障害によって生じるものであり、KMIの表現形と考え合わせると、cGK2は軟骨細胞から分泌される分化阻害因子を柳制することによって、増殖と分化のカップリングを制御している分子であると推測された。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Nakamichi Y, et al.: "Chondromodulin-I is a bone remodeling factor"Mol Cell Biol. 23. 636-644 (2003)
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[Publications] Kawano H, et al.: "Suppressive function of androgen receptor in bone resorption"Proc Natl Acad Sci USA. 100. 9416-9421 (2003)
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[Publications] Koshizuka Y, et al.: "Cystatin 10, a novel chondrocyte-specific protein, may promote the last steps of the chondrocyte differentiation pathway"J Biol Chem. 278. 48259-48266 (2003)
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[Publications] Hoshi K, et al.: "Deficiency of insulin receptor substrate-1 impairs skeletal growth through early closure of epiphyseal cartilage."J Bone Miner Res. 19. 214-223 (2004)
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[Publications] 川口 浩, 他: "運動器の再生医療"THE BONE. 17. 73-88 (2003)
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[Publications] 川口 浩: "骨粗鬆症の病型と病態"Pharma Medica. 21. 10-13 (2003)
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[Publications] 中村 耕三: "整形外科クルズス改訂第4版"南山堂. 1001 (2003)