2002 Fiscal Year Annual Research Report
関節に対するin vivoエレクトロポレーション法を応用した遺伝子導入法の検討
Project/Area Number |
14657374
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
久保 俊一 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (20178031)
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Keywords | EBV / エレクトロポレーション / in vivo / 遺伝子治療 / 関節 |
Research Abstract |
非ウイルス性遺伝子導入法は,病原性・免疫原性などを認めず安全性に優れており,関節疾患の治療には望ましい方法である.本研究では非ウイルス性遺伝子導入法としてin vivoエレクトロポレーション法を関節組織に応用をした.Epstein-Barr virus(EBV)由来のEBNA-1遺伝子およびoriP配列を有するEBV basedプラスミドベクターと,これらの構造を持たない通常のプラスミドベクターを用いた.ラット膝関節に発現ユニットとしてマーカー遺伝子を有するプラスミドを投与し,経皮的に種々の電気刺激を加えた.遺伝子発現量を比較し,遺伝子導入のための最適条件を検討した.内外側および前後方向の2方向からそれぞれ計6回の電気パルスを加えた際に高い導入効率が得られた.電圧を変化させて発現量を検討したところ150Vで最大発現が得られた.その際,0Vすなわちnaked DNA投与のみの群と比較するとEBV basedプラスミドベクターでは約800倍,通常のプラスミドベクターで約100倍の発現量が得られた.また各電圧において通常のプラスミドベクターと比べEBV basedプラスミドベクターでは約5倍から10倍の発現量が得られた.発現期間に関しては導入3日目で発現量は最大となり14日目でコントロールレベルまで減少した. EBV basedプラスミドベクターを用いた場合,EBNA-1がoriP配列に結合することで,プラスミドの核への移行の促進,転写の促進,プラスミドの複製などがおこるため,高い発現効率が得られたと考えている.現在,導入遺伝子の関節内での局在や,全身臓器への影響について検討中である.また他の非ウイルス性遺伝子導入法との比較検討や疾患動物モデルを用いた実験を行っている.
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