麻酔による睡眠障害に関する生理学的および分子生物学的研究---周術期合併症の軽減とQuality of Anesthesiaの向上をめざして---

2002 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 14657387
• Research Institution: Shiga University of Medical Science
• Principal Investigator: 牧浦 弥惠子 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (90293836)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 江口 直美 大阪バイオサイエンス研究所, 第二研究部, 副部長 (10250086) ; 西村 信哉 大阪大学, 医学部・付属病院, 助手 (00263286) ; 竹之下 眞 滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (00144486) ; 野坂 修一 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (80237833) ; 裏出 良博 大阪バイオサイエンス研究所, 第二研究部, 部長 (10201360)
• Keywords: 睡眠 / 麻酔 / 脳波

Research Abstract

鎮静催眠薬・麻薬・吸入麻酔薬による唾眠障害(特にREM睡眠抑制)と投薬中止後の反跳増加(REM rebound)が報告されており、その回復には1週間を要するとの報告もある。また、術後の睡眠障害(特にREM rebound)と術後合併症との関係も指摘されている。しかし麻酔による睡眠障害の詳細やその作用機序などは明らかでない。
バルビタール・ベンゾジアゼピンなどの鎮静催眠薬やモルヒネなどの麻薬は徐波唾眠(SWS)を増加・減少させ、REM睡眠を抑制し、投薬中止後の反跳増加(REM rebound)をきたす。全身麻酔薬ハロセンはSWSを増加させ、REMを阻害し、REM reboundを起こし、唾眠パターンの回復には1週間を要するとされる。一方、笑気・イソフルレンの影響は少ないとされるが詳細は不明である。
本年度の実績
現在・ラット頭蓋内に脳波・筋電図のテレメトリー発信器を装着し、睡眠脳波の解析の練習をしている段階である。ラットを12時間の明暗周期下に馴化する。ハロセン麻酔下に頭蓋骨を開け、発信器を挿入固定する。外科的侵襲からの回復をはかるため、2週間は待機する。その後、受信機上にケージを設置し脳波および筋電図を無線で記録する。睡眠ステージの解析は睡眠解析ソフトで行うが、non-REM睡眠、REM睡眠、覚醒の判別に熟練を要するため、目下判読の訓練をしている。