2004 Fiscal Year Annual Research Report
前立腺癌に対する細胞性免疫賦活とハーセプチン併用による新規治療に関する研究
Project/Area Number |
14657403
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
鈴木 和浩 群馬大学, 医学系研究科, 教授 (80312891)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒川 公平 群馬大学, 医学部, 講師 (50225281)
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Keywords | 前立腺癌 / ハーセプチン / 遺伝子導入 |
Research Abstract |
前立腺癌の頻度は年々増加傾向にあり、社会的な問題となっている。ホルモン依存性を特徴とするが、ホルモン非依存性になったいわゆる再燃前立腺癌に対する治療法の確立は急務である。本研究では、細胞性免疫を利用した免疫細胞治療法の確立を目指し、インターロイキン15とハーセプチンによる併用療法可能性を検討した。ハーセプチンはErbB2とよばれる細胞表面に存在するレセプターをブロックする抗体である。このため、再燃乳癌においてErbB2発現の陽性症例で効果が認められている。今回、インターロイキン15を発現するホルモン非依存性前立腺癌細胞PC-3を樹立し、この細胞に関するハーセプチンの効果を検討した。インターロイキン15発現ベクターを遺伝子導入したPC-3細胞のスクリーニングを行い、サイトカイン分泌性の細胞を得た。この細胞は、外見は通常のPC-3と同様であるが、mRNAおよび蛋白のレベルでインターロイキン15を十分量発現していることを、real time PCRおよびバイオアッセイにて確認した。この細胞にハーセプチンを添加した培地をもって培養に供した。ハーセプチンの添加によりやや増殖態度は鈍ったが、有意な変化をきたすことはなかった。細胞を回収し、RNAを抽出後ErbB2の発現をmRNAのレベルで検討した。ハーセプチンによりmRNAの発現レベルは低下傾向を示したが、有意なものではなかった。以上のin vitroの結果から通常の培地下でハーセプチン単独の効果は少ないものであることが判明した。おそらく、抗体であることから、免疫細胞の存在が必要となることが示唆された。また、今回の研究では、女性ホルモンとの併用についても検討した。女性ホルモンではジエチルスティルベストロール(DES)を使用した。DES単特ではIGFBP-6の発現が有意に更新した。IGFBP-6はこれまで横紋筋肉腫細胞で増殖抑制効果を認めているが、前立腺癌細胞においても同様の効果を示した。ハーセプチンの併用効果は有意なものは認められなかった。今後は、更に、有効な併用薬剤との関連を探る必要があると考えられた。
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Research Products
(1 results)