2002 Fiscal Year Annual Research Report
小胞体分子シャペロンORP150を用いた膀胱癌に対する癌免疫治療の実験的検討
Project/Area Number |
14657405
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
並木 幹夫 金沢大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70155985)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 智 金沢大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90283746)
溝上 敦 金沢大学, 医学部附属病院, 助手 (50248580)
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Keywords | 膀胱癌 / ORP150 / 免疫治療 / 分子シャペロン / ワクチン療法 |
Research Abstract |
癌組織において分子シャペロンは多量に発現されているが、宿主は癌細胞の分子シャペロンを癌特異抗原の認識のために利用していると考えられている。本研究では、分子シャペロンORP150の強力なの抗原提示誘導能を利用して、マウス由来膀胱癌に対して癌免疫治療が可能かどうか検討した。 平成14年度は以下の実験をおこなった。 実験Aでは、マウス膀胱癌細胞株(MBT2)を大量に培養し、この細胞におけるORP150蛋白発現をwestern blotで確認した。確認後FPLCを用いてとのORP150を精製した。次に精製したORP150をマウスに接種し、その後MBT2をC3Hマウス背部皮下に移植した。コントロール群(PBS投与群)と比較で、ORP150接種群では有意に造腫瘍能が抑制された。 実験Bでは、まずC3HマウスにMBT2を接種して背部皮下に腫瘍を形成させた。次に、MBT2のlysateとRecombinant ORP150を混じてから、マウス腹腔内に2週間ごとに投与したところ、腫瘍の退縮が確認された。現在ORP150自己抗体を測定するとともに、腫瘍組織を免疫染色し、ORP150による抗腫瘍効果の機序を検討中である。 いずれにしても、ORP150は免疫治療、ワクチン療法をより強力に行うための重要な役割を有していることが明らかになり、平成15年度の研究では、ORP150の作用機序の解明を目指す予定である。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Asahi H, Koshida K, Hori O, Ogawa S, Namiki M: "Immunohistochmical detection of the 150-kDa oxygen-regulated protein in bladder cancer"British Journal of Urology International. 90. 462-466 (2002)