2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14657439
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
八木 聰明 日本医科大学, 大学院・医学研究科, 教授 (80082163)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 まき 日本医科大学, 医学部, 助手 (80339431)
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Keywords | 機能検査 / 前庭 / 眼球運動 / 平衡 / 視刺激 / 簡易検査 |
Research Abstract |
本研究の目的は、めまい・平衡障害患者に対する客観的めまい検査のための器機として、省スペースで安価な視刺激用の簡易検査装置を開発することである。また、これが臨床の第一線でめまい・平衡障害患者の診察にあたる診療所の医師に容易に使用でき、診断にフィードバックできるようにすることにある。初年度で作成した頭部装着型の視刺激用ゴーグル(内部に液晶モニターが埋め込まれたテレビ鑑賞用のもの)を用いた。また、やはり研究初年度に開発した視刺激用ソフトウエアによる刺激(正弦波状あるいはステップ状に動く視標、線状視標、ランダムドット視標)を使用して、健常被検者を用いて実際の眼球運動を記録解析した。眼球運動記録は、一般臨床に最も広く用いられている電気眼振図(ENG)を用いた。眼球運動の解析は主として緩徐(滑動性)運動の記録として視標追跡運動を、急速運動の記録として視運動性眼振を行った。その結果、視標追跡運動(視角20度)では、視刺激に対して振幅および追随運動が良好で、日常診療における検査として十分使用可能であることが証明された。また、視運動性眼振は、その速度が30度/秒の刺激では殆どの被検者で眼振緩徐相速度が刺激速度に対応しており、検査として用いることのできることが分かった。一方、60度/秒の視刺激では、約1/3の被検者では視刺激速度に対応した眼振が得られたが、残りの2/3では刺激に追随した眼球運動が得られなかった。この結果は、主としてゴーグルの視角(約32度)の狭さによるものであり、今後更に広い視角のゴーグルの開発が必要である。これらの研究結果は、2004年4月開催のThe 10^<th> Japan-Korea Join Meeting of Otorhinolaryngology - Head & Neck Surgeryおよび、5月開催の第105回日本耳鼻咽喉科学会総会で発表する。
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