2002 Fiscal Year Annual Research Report
ES細胞を用いた歯の再生法の開発および歯の幹細胞の単離
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14657465
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
里方 一郎 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (70170800)
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Keywords | ES細胞 / 歯胚 / 奇形腫 / 腎被膜下移植 / Msx1 / Msx2 |
Research Abstract |
1.発生時の歯胚組織を利用してES細胞を歯胚組織に誘導する方法の検討 LacZレポーター遺伝子を導入したES細胞を樹立した。このES細胞をLIFを含まない培地で培養し、胚様体を形成させた。胚様体細胞を胎生期のマウス下顎歯胚領域の組織と共培養して、ES細胞が歯胚のどの組織にどの程度分化誘導されるか調べているところである。今後、ES細胞が歯胚組織に分化したと考えられる組織をマウス腎被膜下に移植し、さらに発生を進め、歯がどの程度形成されるか組織学的に調べる予定である。 2.奇形腫を利用してES細胞から歯胚組織を作る方法の検討 Msx1プロモーターに蛍光蛋白であるEGFP(enhanced green fluorescent protein)の遺伝子をつないだプラスミドとMsx2プロモーターに同じく蛍光蛋白であるDsRedの遺伝子をつないだプラスミドを導入したES細胞を樹立した。このES細胞をヌードマウスの皮下に移植し、奇形腫を形成させ、蛍光顕微鏡下で奇形腫内でMsxl、Msx2の発現が認められる組織を調べた。数ヶ所にMsx1、Msx2の発現が認められたが、どれが歯胚組織であるのか、組織を生かした状態で判別できる方法を確立しないと、その後の腎被膜下移植実験が進められないことが明らかになった。現在、この問題を解決しようと試みているところである。
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