2003 Fiscal Year Annual Research Report
生菌ワクチン開発に向けた抗生物質耐性遺伝子をもたない歯周病原細菌変異株作製の試み
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14657470
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
中山 浩次 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (80150473)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
庄子 幹郎 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (10336175)
内藤 真理子 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (20244072)
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Keywords | 生菌ワクチン / 組換え技術 / 抗生物質耐性 |
Research Abstract |
平成14年度の本課題研究でP.gingivalisのメチオニン分解酵素遺伝子(mg1)の完全欠失株を作成した。本年度はこの変異株から抗生物質耐性をもたないLys-gingipain遺伝子(kgp)欠失変異株に成功した。 まず、kgp遺伝子の内部領域に欠失変異を導入したDNA断片を、mg1遺伝子全長とエリスロマイシン耐性遺伝子を有するスーサイドプラスミドに導入した。このプラスミドDNAをmg1欠失株にエレクトロポレーション法で導入し、エリスロマイシン耐性株を分離した。この耐性株は染色体のkgp領域にプラスミドDNA全長が挿入されていた。また、この挿入株は野生型のmg1遺伝子が導入されているのでトリフルオロメチオニン(TFM)に感受性になっていた。そこでエリスロマイシンを含まない培地で継代培養したのち、TFM含有平板に塗抹し、TFM耐性株を分離した。TFM耐性株のなかの数株はkgp遺伝子内に欠失変異を残した状態でエリスロマイシン耐性遺伝子を含むプラスミドDNAが脱落したものであった。すなわち、抗生物質に感受性であり、Lys-gingipain活性が完全に消失しており、kgp遺伝子欠損株が得られたわけである。今年度の成果はこの方法が、生菌ワクチン開発に向けた抗生物質耐性遺伝子をもたない歯周病原細菌変異株作成法として十分に機能するものであることを証明した。
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