2002 Fiscal Year Annual Research Report
重力ストレスを受容する視床下部への辺縁系入力の同定
Project/Area Number |
14657476
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
粂井 康宏 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (30161714)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下川 伶子 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助手 (90014349)
下川 仁弥太 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (80014257)
戸田 一雄 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (80134708)
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Keywords | 重力 / 侵害受容 / 視床下部 / 辺縁系 / シナプス可塑性 / 海馬 |
Research Abstract |
本研究では、視床下部へ入力する辺縁系を中心に、重力変化と痛覚変調に焦点を絞り、重力応答性のある視床下部〜辺縁系の特定部位を破壊したラットを2G高重力に曝露し、侵害受容性応答の変調、ニューロンの自発放電活動の変化、さらに免疫組織化学的観察および遺伝子発現解析を行い、それぞれ非破壊対照ラットおよび1G重力対照と比較することにより、重力変化に対して最優位に応答する部位を決定する。地球型生命体は1Gの重力淘汰圧のもとに進化してきた。1Gを既得権として記憶している生命体にとって、重力変化に対して、この1Gの記憶回路が変化し、海馬を含む辺縁系と視床下部との神経伝達回路に影響を及ぼし、視床下部へ入力する辺縁系を含む情動システムが発動すると考えられるが、全く解明されていない。我々は、2G高重力負荷の影響について個体レベルから細胞・分子レベルまで視床下部を中心とした系統的な解析を行い、その結果を世界に先駆けて発表した。すなわち、視床下部の弓状核や室傍核が重力センサーとして働くか、もしくは重力センサーの感受性の調節に関与することが示された。視床下部へは海馬・帯状回から強力な入力が収束しており、海馬・帯状回から視床下部への出力が重力の感知に重要であることを明らかにした。この部位でのシナプス伝達効率の長期増強(LTP)あるいは長期抑圧(LTD)に対する重力刺激の影響を解明することは、重力センサーの高次中枢としての辺縁系の機能を明らかにする上で重要である。今回、シナプス伝達効率をモニターするため、ラット海馬スライス標本を用いて外界電位Field PotentialをCA1領域から導出することにより、シナプスの可塑的変化を調べた。2G高重力刺激後には、対照群に比べてField Potentialの陰性振幅の増大が見られ、海馬CA1領域において、重力刺激によってLTPが誘発されていることがわかった。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Kumei, Y., Shimokawa, R., Toda, K., Shimokawa, H., et al.: "Hypergravity modulates behavioral nociceptive responses in rats"Adv. Space Res.. 30. 783-788 (2002)