2002 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病原性細菌における新規の膜結合型タンパク質の遺伝学的探求とその精製の試み
Project/Area Number |
14657479
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
加藤 有三 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (20014128)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 光枝 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (20274665)
岡元 邦彰 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (10311846)
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Keywords | Arg-gingipain / cysteine proteinase / Lys-gingipain / periodonatal disease / Porphyromonas gingivalis / Sec / transport |
Research Abstract |
歯周病原性細菌Porphyromonas gingivalis (P.g.)の細胞膜は大腸菌と同じく内膜と外膜の2層構造になっており、内膜でのタンパク質輸送機構において膜結合型タンパク質の関与は非常に重要な要素である。しかし、大腸菌のような詳細な膜透過機構に関してはほとんど明らかとされていない。そこで、我々はそれら膜透過性機構に関連した新規のタンパク質の探求を試みることにした。まず、今年度は膜を通過して輸送されるタンパク質として、膜結合型と分泌型の2種類の局在様式として存在する代表的なタンパク質分解酵素であるLys-gingipain (KgP)の輸送機構を調べることにした。KgP遺伝子はプロテアーゼのドメインとカルボキシ末端側の血球凝集素ドメインからなる2つの機能ドメインから成っている。そこで全KgP遺伝子を、P.g.菌体内で安定に維持できるプラスミドpYKP028を用い接合伝達によりP.g.に導入した。テトラサイクリンにより菌株を選別したところ、いくつかのクローンが得られた。しかし、培養上清、菌体内共にKgp活性は認められなかった。また、ウエスタンブロット解析にても同様であった。この理由はまだ明らかではないが、より短い遺伝子(Kgpプロテアーゼドメインと短い血球凝集素ドメインを含んだ遺伝子)では活性が認められたことから、カルボキシ末端側のドメインが遺伝子発現に抑制的に働いている可能性も現在のところ否定できない。現在、メッセージレベルでの解析を行い、カルボキシ末端側のドメインの関与を検討している。また同時に、大腸菌のSec遺伝子からプライマーを設計し、P.g.遺伝子からSec関連遺伝子の採取を試みている。
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Research Products
(1 results)