2003 Fiscal Year Annual Research Report
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14657482
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
進藤 正信 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (20162802)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
向後 隆男 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (80001949)
東野 史裕 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (50301891)
柴 肇一 富士レビオ株式会社, 先端研究部門・進化工学研究プロジェクト, リサーチディレクター (60241303)
戸塚 靖則 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (00109456)
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Keywords | ポリリン酸 / 歯周組織再生 / 細胞走化性 |
Research Abstract |
ポリリン酸は、リン酸が直鎖上に重合したポリマーで、原核生物ではエネルギー供与体やリン酸リザーバーとしての機能が明らかになっているが、真核生物での機能は不明である。我々は、ポリリン酸が線維芽細胞増殖因子(FGF-2)を安定化することを見いだし、再生医療への応用を考えた。 歯周組織の再生には、歯槽骨の新生とともに歯根膜の再生が必要となる。ヒト抜去歯牙より分離したヒト歯根膜線維芽細胞(PDF)の走化性に対するポリリン酸の影響について検討した。その結果、ポリリン酸は歯根膜細胞の走化活性を促進し、アクチン線維の形態形成促進も確認された。マイクロアレイによる解析からも細胞骨格再編シグナル遺伝子の発現が確認された。さらに、ポリリン酸による細胞走化性亢進にはRhoファミリー細胞内シグナル伝達経路の活性化が関与していることが明らかになった。 ポリリン酸の骨形成におよぼす影響をマウス骨芽細胞株MC3T3E1細胞を用いて検索した。ポリリン酸処理したMC3T3E1細胞では、osteopontinとosteocalcinのmRNAとアルカリフォスファターゼ活性の亢進が認められ、石灰化noduleの形成も顕著で、ポリリン酸が骨芽細胞分化のシグナル分子の一つとして働いているものと思われた。また、細胞内でのポリリン酸分解酵素活性も亢進し、ポリソン酸がリン酸カルシウムの材料となる可能性も示唆された。 このようなポリリン酸のin vitroでの効果がin vivoにおいても生じるのかどうかをラットを用いて検索した。6週齢Wistarラットの左側上顎第一臼歯部に骨欠損を作り、実験的歯周病モデルを作成し、ポリリン酸の効果を病理組織学的に検討した。その結果、実験群では術後3日目から炎症性細胞浸潤が消退し、術後5日目から骨芽細胞の増殖を認め新生骨形成が促進されていた。このような反応は対象群に比べて早期に生じており、ポリリン酸が生体においても組織の修復・再生を促進する働きがあることが示唆された。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Kawazoe Y, Shiba T, Shindoh M, Kohgo T et al.: "Induction of calcification in MC3T3-E1 cells by inorganic polyphosphate"J Dent Res. 83(In press). (2004)