2002 Fiscal Year Annual Research Report
Er:YAGレーザーによる光学的感染歯質除去後の歯質欠損部再建法の検討
Project/Area Number |
14657502
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
矢谷 博文 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (80174530)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 一臣 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (30050058)
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Keywords | Er : YAGレーザー / 象牙質 / エナメル質 / 接着強さ / 形態観察 / 圧縮強さ / プライマー / コンポジットレジン |
Research Abstract |
まず適切なレーザー照射条件を把握するため,照射出力および照射周期の違いによる歯質蒸散効果について検討した.次にレーザー照射歯質の構造変化を組織および形態の両面から解析した後,その機械的強さを測定し,被着体としての物性を明らかにした.また一方では,レーザー照射したエナメル質および象牙質を被着体とした場合の接着性レジンの初期接着強さおよびその耐久性について検討するとともに,接着界面および接着試験体の破断面の観察からレーザー照射歯質被着体と接着性レジンの接着機構を考察し,以下のような結論を得た. 1.レーザー照射によりエナメル質および象牙質には脆弱な層(レーザースメア層)が生成される. 2.レーザー照射エナメル質の最表層は有機質およびカルシウムの減少がみられるものの,結晶性ならびに組成比等の化学的な変化はない. 3.レーザー照射により歯質の圧縮強さが低下した. 4.レーザー照射歯質とセルフエッチングプライマーシステムの間で良好な接着界面を形成するが,レーザーによって歯質が脆弱になるため引張り接着試験によりエナメル質あるいは象牙質の被着体破壊を引き起こす. 5.レーザー照射エナメル質においては,プライマー処理群がプライマー未処理群に比べて低い接着強さを示した.また,コントロール(プライマー処理研削群)と同等の接着強さを示したプライマー未処理レーザー照射群においても,低出力照射は熱負荷後に接着強さが低下した.よってエナメル質に対しては中間および高出力でレーザー照射し,プライマーを用いない接着操作が行われるべきである. 6.レーザー照射象牙質においては,プライマー処理群および未処理群ともにコントロール(プライマー処理研削群)と比べて低い接着強さを示した.よって,レーザー照射象牙質に特化した新規接着システムの構築が必要である.
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