2003 Fiscal Year Annual Research Report
シラスバルーンを耐火材に応用した歯科用埋没材の開発
Project/Area Number |
14657506
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
藤井 孝一 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (60156817)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南 弘之 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (50244257)
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Keywords | リン酸塩系埋没材 / 熱膨張 / 圧縮強さ / 操作性 / 硬化時間 / シラスバルーン |
Research Abstract |
本年度は,新たに昨年度とは粒度分布の異なるシラスバルーンを導入し,昨年度に続き歯科臨床で利用可能な組成について、操作性、膨張特性(硬化・熱膨張)および圧縮強さなどの測定を進めてきた。 (1)利用可能な組成について市販のシラスバルーンの粒径が、現在、一般に使用されているリン酸塩系のもに比べてかなり大きく、その粒度分布も異なるため、市販リン酸塩系材料に10〜20wt%のシラスバルーンを添加したものを試料とした。 (2)操作性について操作時間、硬化時間は、シラスバルーンの添加量が増加すると市販材料の値に比べて大幅に増加し、硬化時間は長いもので1.5時間以上の値を示した。現在、これを市販材料に近い値にするために適切な硬化促進剤を検討中である。 (3)膨張特性 膨張は市販材料に比べて、シラスバルーンの添加量が増加するにしたがって、増加する傾向を示した。添加量の大きい場合には膨張値にばらつきが認められたが、これはシラスバルーンに含まれる空気あるいは水分による影響もその一因として考えられた。 (4)シラスバルーンの添加により埋没材粉末のかさ密度が増加する傾向が認められた。 (5)シラスバルーンを添加した埋没材の圧縮強さは、市販リン酸塩系のものに比べて低下し、石こう系埋没材の値に近くなった。 今後、さらに歯科臨床での利用についての可能性を検討するために、実際に歯科鋳造を行い、作製した鋳造体の適合性、表面性状、鋳造欠陥などについて検討し、総合的な評価を行うつもりである。
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