2002 Fiscal Year Annual Research Report
随時に接着強度を低下させることが出来る矯正用接着システムの開発
Project/Area Number |
14657507
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
荒木 吉馬 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (20005036)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平 雅之 岩手医科大学, 歯学部, 講師 (60179398)
三浦 廣行 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (00048563)
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Keywords | 歯列矯正 / ダイレクトボンディング / 接着システム / 接着耐久性 / 機械的接着 / 防水処理 / 4-METAレジン / ディボンディング |
Research Abstract |
歯科矯正治療に用いるブラケットと歯面との接着システムとして、治療期間中は十分高い接着強度を有し、治療終了後は、歯面を傷つけることなくブラケットを容易に脱着させることが出来るよう接着強度を低下させるシステムを考案し、その有効性について検討した。本年度は、(1)治療期間中は接着層に水分の浸透を、防水シールで防止し、治療終了後に防水シールを取り除いて接着強度を低下させる方法と、(2)ブラケット材(ステンレス)の被着面の形状および表面粗さを変えた場合の機械的な維持力の低下速度を検討した。 いずれの場合にも、先ず接着材として、接着性モノマー4-METAを含む親水性レジンを試作した。この接着材は、乾燥下では、歯に対して10MPa以上、ステンレスに対して20MPa以上の接着強度を有し、水中に浸漬するといずれも1MPa以下にまで低下するもので、本研究に適合した材料である。(1)に関しては、防水シール材を、アクリル樹脂、シリコーン系ワニス、フッ素系表面処理剤(東京理科大学、好野教授提供)など、種々用いて検討した結果、アクリル樹脂コーティングを施した場合に、37℃水中4週間後まで、8MPaの強度を維持することが出来、コーティング除去後1日で、容易に脱着することが出来た。しかし、実用的には、さらに長期間の耐久性を確保する必要があるため、現在、シーリング材を含め、防水処置方法を検討している。この研究過程において、ブラケットと歯面との接着が水中で破壊される機構として歯を通して浸透する水によるものであることが明らかになった。これは、防水処理法を考える上で有益な示唆となった。 (2)に関しては、ステンレス表面を鏡面研磨したもの、サンドブラスト処理をしたもの、ステンレスメッシュを溶接したもの、さらにメッシュ面をサンドブラスト処理をしたものについて、接着耐久性を調べた。その結果、表面の形状によって、初期接着強度および接着耐久性を調節出来る可能性が見出された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Hayashi, K., Araki.Y., Uechi, J., Ohno, H., Mizoguchi, I.: "A novel method for the three-dimensional(3-D) analysis of orthodontic tooth movement -calculation of rotation about and translation along the finit axis -"Journal of Biomechanics. 35・1. 45-51 (2002)
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[Publications] Hashimoto, M., Ohno, H., Kaga, M., Sano, M., Tay, F., Oguchi, H., Araki, Y.: "Over-etching effects on micro-tensile bond strength and failure patterns for two dentin bonding systems"Journal of Dentistry. 30. 99-105 (2002)
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[Publications] Taira, M., Araki, Y.: "DTG thermal analyses and viscosity measurement of three commercial agar impression materials"Journal of Oral Rehabilitation. 29. 697-701 (2002)
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[Publications] 細田裕康他監修, 荒木吉馬他編集, 荒木吉馬他著: "接着歯学Minimal Interventionを求めて"医歯薬出版(株:藤田勝治). 206 (2002)